「☆星4以上のクチコミで割引」はステマ 消費者庁が措置命令

グーグルマップの「クチコミ」に高評価の投稿をしたら割り引きするなどと、クリニックを訪れた人に依頼して行わせた投稿が、いわゆるステルスマーケティングにあたるとして、消費者庁はクリニックを運営する東京の医療法人に投稿の削除などを求める措置命令を行いました。

“高評価のクチコミで550円引きに”

命令を受けたのは、5つのクリニックを運営する東京・大田区の医療法人社団祐真会です。

消費者庁によりますと、この医療法人は去年10月、インフルエンザワクチンを接種するために運営するクリニックのひとつを訪れた人に対し、グーグルマップの「クチコミ」の投稿で5段階中4以上の評価をしたら、接種料金から550円を割り引きをするなどと持ちかけていたということです。

こうして行われた投稿が、実際は広告主が依頼したにもかかわらず、利用者個人の感想などを装って宣伝するステルスマーケティングにあたるとして、消費者庁は投稿の削除や再発防止などを命じる措置命令を行いました。

消費者庁がステルスマーケティングだと確認した投稿は45件だということです。

ステルスマーケティングは景品表示法で禁止されている不当表示の1つとして去年10月から規制されていて、消費者庁が措置命令を行うのは初めてです。

投稿依頼で☆5が急増

消費者庁によりますと、クリニックでグーグルマップのクチコミ投稿を依頼していたとみられる去年10月2日から17日までのクリニックへのクチコミ、269件を調べたところ、9割近くの232件が5段階中5の高評価だったということです。

一方、この期間の前のおよそ9か月間は184件中の9件、あとのおよそ3か月間では55件中の3件といずれも1割以下にとどまり、最も低い1の評価が目立っていました。

NHKがクリニックへのクチコミを調べたところ、「『星5のレビューを投稿すればさらに550円OFF』と案内があったので、(5の評価を)投稿しました」とか、「口コミを登録したらさらに500円引きになりお得でした」といった投稿がみられました。

命令を受けたクリニックは

消費者庁によりますと、祐真会は今回の措置について消費者庁に対して「あずけるコメントはない」としているということです。