「珠洲焼」 窯の修復工事終わり利用再開 作家が出来栄え確認

能登半島地震で大きな被害を受けた、石川県珠洲市にある工房を備えた施設で、一部の窯の修復工事が終わり、利用を再開した作家たちが、焼きあがった伝統工芸品「珠洲焼」の出来栄えを確認しました。

「珠洲焼」は、鉄分を含んだ土を使って高温で焼き上げた深みのある灰色が特徴の伝統工芸品です。

工房を備えた珠洲市蛸島町にある「珠洲市陶芸センター」では、2基の窯でレンガが崩れたり煙突が壊れたりしましたが、5月末に、このうち1基の窯の応急的な修復工事が終わり、利用が再開されました。

5日は珠洲焼作家5人が集まり、焼き上がったおよそ200点の作品の出来栄えを確認しました。

施設を管理する市は、もう1つの窯についても7月末までに復旧させたいとしています。

珠洲焼作家で能登町に住む久田万寿夫さんは「愛情を込めて焼き上がった作品が見られてうれしいです。作品づくりにあたる時間は、被災後の片づけに追われる日常をすべて忘れられるので、今後も作り続けていきたい」と話していました。