衆院特別委 立民“混乱”と原因ただす 自民“意見反映の結果”

政治資金規正法の改正をめぐり衆議院の特別委員会で質疑が行われ、立憲民主党が4日に予定していた委員会が開かれないなど、混乱が起きたと指摘し原因をただしたのに対し、自民党は幅広い党の意見を反映させ法案を修正した結果だと説明しました。

衆議院の特別委員会では、自民党が日本維新の会の求めに応じて再修正した法案の趣旨説明を行いました。

このあとの質疑で、
▽立憲民主党の太栄志氏は「国民の政治不信が頂点に達している状態だ。きのうも岸田総理大臣が出席して委員会で質疑をする予定だったが、突然流れた。ドタバタ劇に国民はしらけているが、混乱の原因は何だったのか」とただしました。

これに対し、自民党の法案提出者の鈴木馨祐氏は「可能なかぎり各党・各会派の意見を党の法案に反映をさせようと取り組んだ結果だ。今の国会中での成立を期し、限られた時間の中で調整が行われた」と説明しました。

また、
▽太氏は、党から支給される「政策活動費」について、「やはりブラックボックスだ。領収書の公開は、なぜ10年後なのか。領収書を公開しても大量に黒塗りで出てくる可能性もある。なぜ、この期に及んでも『政策活動費』を廃止しないのか」と迫りました。

これに対し、鈴木氏は「党の政策活動費は役職者に支出され、党勢拡大や調査研究、政策立案に充てられるが、プライバシーなど、もろもろ勘案すべきことがある。しっかりとしたガバナンスのもと、不適切な使用があってはならず、それを法的に担保するため法改正を行う」と述べました。

委員会では午後、岸田総理大臣に出席を求めて質疑を行ったあと法案を採決することにしていて、自民党の法案は公明党と日本維新の会の賛成も得て可決される見通しです。

自民 浜田国対委員長「命題を達成できたと思う」

自民党の茂木幹事長と浜田国会対策委員長、公明党の石井幹事長と佐藤国会対策委員長が国会内で会談し、6日に法案が衆議院を通過する見通しとなったことを踏まえ、今の国会での成立に万全を期すことを改めて確認しました。

このあと浜田氏は記者団に対し「いろいろあって日程は少し遅れたが、衆議院を通過することになり、良かった。経緯はどうであれ公明党と日本維新の会から賛成を得られるということであれば、われわれの目的をかなえて法案を作るという命題を達成できたと思う」と述べました。

岸田首相 自民・公明の国会対策委員会に差し入れ

岸田総理大臣は5日、自民・公明両党の国会対策委員会に洋菓子店で購入したシュークリームを差し入れました。

このうち、公明党に対しては村井官房副長官が佐藤国会対策委員長のもとを訪れて、法案成立に向けた協力に謝意を示し、シュークリーム10個が入った箱が5箱、届けられたということです。

公明 山口代表「ほぼ合意できた 今国会で確実に成立を」

公明党の山口代表は党の参議院議員総会で「党の主張は、具体案を訴えてほぼ合意できたので、今の国会で確実に成立を期したい。国民の政治不信を招いたことに対する回復を図るとともに、国民の生活や仕事に何が必要かという前向きな政策課題を進めていくことも政権の責任だ」と述べました。

維新 党独自の規正法の改正案を取り下げ

日本維新の会は、5日午前の衆議院の特別委員会の理事会で、自民党が維新の会の主張を踏まえて再修正した法案を国会に提出したことを受けて、特別委員会で審議していた党独自の規正法の改正案を取り下げる考えを示しました。

そして、その後、開かれた委員会で取り下げが認められました。

維新 馬場代表「わが党は1ミリたりともぶれていない」

日本維新の会の馬場代表は党の役員会で「岸田総理大臣と党首会談を行って合意したあと、条文の細部をチェックしたところ、維新の会の考え方を丸のみするどころか、自分たちの考え方を押しつけてくるような中身だと判明した。合意の破棄も視野に入れながら交渉を行い、自民党が譲歩を重ねて、最終的に維新案をのんだ。ドタバタしているのは自民党であって、わが党は全く微動だにしておらず、1ミリたりともぶれていない」と述べました。

立民 安住国対委員長「“10年後開示” 改革の名に値せず」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、党の会合で「政策活動費の10年後の開示は改革の名に値しない。このところの政界再編をみれば、母体となる政党が10年後にあるかどうかもわからない。国民に情報開示し、透明性を高めるために一生懸命やっているのに、自民党と日本維新の会で手を握ったことは、むしろ情報開示を10年間、防ぐことになる」と述べました。

そのうえで、「自民党で政策活動費を使い放題に使った人は喜んでいるのではないか。来年から開示すればよく、合意の矛盾と、いいかげんさを徹底的に突いていきたい」と述べました。

国民 玉木代表「再修正案は依然としてザル 厳しく臨みたい」

国民民主党の玉木代表は党の会合で「再修正案は依然としてザルで、網目の細かさが5ミリ四方から3ミリ四方になったくらいで、裏金は止まらない。特に選挙に使われる不透明なお金が止まらない仕組みになっていて、こんな内容をとても許すわけにはいかず、厳しく臨みたい。こういう案を軽々しく出してきた自民党の統治能力とそれに乗って賛成する政党は政治改革に大きく反している」と述べました。