バイデン大統領“中国が台湾侵攻の場合 戦力使用を排除せず”

アメリカのバイデン大統領はメディアのインタビューで、中国が台湾に侵攻した場合の対応について「アメリカ軍の戦力の使用を排除しない」と述べて軍事的に関与する可能性に言及しました。

アメリカのバイデン大統領は先月28日、ホワイトハウスでアメリカの雑誌、「タイム」のインタビューを受け4日、その内容が公開されました。

この中でバイデン大統領は台湾情勢をめぐり「私は習近平国家主席に対し、われわれは台湾の独立を目指している訳ではないと明確にしている」と述べて従来からのアメリカの政策に変更はないと強調しました。

ただ、中国が台湾に侵攻した場合の対応について「アメリカ軍の戦力の使用を排除しない」と述べて軍事的に関与する可能性に言及しました。

バイデン大統領は、記者会見などで中国が武力で台湾統一をはかろうとした場合、アメリカ軍が台湾を防衛する可能性にたびたび言及していて、今回も同様の認識を示した形です。

一方、バイデン大統領は、日本やフィリピンにある基地から攻撃するのかと問われたのに対し「その点は詳しく話せない」と述べるにとどめました。

またバイデン大統領は、中国によるアメリカの選挙への干渉について「干渉が行われている証拠がある」と明言しました。

このほかバイデン大統領は、中国経済について「瀬戸際にある」と述べ良い状況とは言えないとの認識を示しました。

中国 “誤ったシグナル出さないよう求める”

アメリカのバイデン大統領が、中国が台湾に侵攻した場合、軍事的に関与する可能性に言及したことについて、中国外務省の毛寧報道官は5日の記者会見で「いかなる圧力や威嚇も、国家の主権と領土の一体性を守るという中国政府と国民の強い決心と確固たる意志、強大な能力を揺るがすことはできない」と述べ、反発しました。

そのうえで「われわれはアメリカ側がいかなる形であっても『台湾独立』勢力に対し、誤ったシグナルを出すことをやめるよう求める」と強調し、けん制しました。