シベリア抑留で亡くなる 佐賀県出身の男性の遺骨と分かり返還

終戦後、シベリアに抑留されて亡くなった日本人の遺骨が、DNA鑑定の結果、佐賀県出身の男性だったことが分かり、3日、遺族のもとに返されました。

返還されたのは、終戦後、旧ソビエトのシベリアに抑留されて亡くなった、佐賀県の旧東脊振村、現在の吉野ヶ里町出身の西村壽弥男さんの遺骨です。

3日、県の職員が吉野ヶ里町に住むおいの正紘さんのもとを訪れ、遺骨を届けました。

西村壽弥男さんは昭和19年10月に召集されて中国大陸に出征し、厚生労働省によりますと、終戦後シベリアに抑留されて、21歳の若さで亡くなったということです。

厚生労働省によりますと、西村さんの遺骨は2002年にロシアのイルクーツク州の埋葬地で収集されましたが、身元につながる情報がなく、日本に安置されたままとなっていました。

その後、国がロシア側から提供された資料の分析を進める中で、収容者リストの中に西村さんの名前や出生地に関する記載があることが分かり、DNA鑑定の結果、西村さんと確認されたということです。

正紘さんは「亡くなった父にも祖母にもゆっくり報告したいですね。戦争がもたらすものは悲劇なんだなとしみじみ思います」と話していました。

県によりますと、DNA鑑定が始まった2003年以降、佐賀県出身者では西村さんを含めて10人の遺骨が遺族のもとに返されたということです。