メキシコ大統領選挙 シェインバウム氏が勝利演説

中米メキシコで行われた大統領選挙は、与党の左派政党のクラウディア・シェインバウム氏が「私はメキシコ初の女性大統領になる」と述べ、勝利演説を行いました。

任期満了に伴うメキシコの大統領選挙は、与党の左派政党「国家再生運動」のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長と、野党連合のソチル・ガルベス前上院議員の事実上、女性候補2人による争いになりました。

選挙管理当局はシェインバウム氏の得票率は58%から60%となり、野党連合のガルベス氏に大差をつけて勝利する見通しだと明らかにしました。

この発表を受けてシェインバウム氏は、「共和国建国200年の節目に私はメキシコ初の女性大統領になる。私ひとりだけでなく女性全員で行き着いたのだ」と述べ、勝利演説を行いました。

シェインバウム氏は、国民の間で人気が極めて高い現在のロペスオブラドール大統領の後継者で、選挙戦では社会保障や治安政策などの継続を訴えました。

メキシコでは、麻薬組織などによる殺人や誘拐などの暴力事件が後をたたず、就任後、シェインバウム氏の手腕が問われることになります。

シェインバウム氏とは

クラウディア・シェインバウム氏は、1962年生まれの61歳。首都メキシコシティー出身で、祖父母は東欧からのユダヤ系移民です。

ロイター通信などによりますと、シェインバウム氏はメキシコ国立自治大学で物理学の学位やエネルギー工学の修士号と博士号を取得したほか、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校でも学んだ学歴を持っています。

これまでに科学者として再生可能エネルギーや気候変動に関する研究に熱心に取り組み、シェインバウム氏も貢献した国連のIPCC=気候変動に関する政府間パネルは、2007年にノーベル平和賞を受賞しました。

地元メディアなどによりますと、シェインバウム氏は現在のロペスオブラドール大統領がメキシコシティーで市長を務めていた2000年から、市の環境政策を率いました。

その後、2018年から2023年までメキシコシティー初の女性市長を務めたあと、ロペスオブラドール大統領の後継者として今回の大統領選挙に立候補しました。