国立競技場の民営化 運営事業者にNTTドコモなどが優先交渉先に

国立競技場の民営化を担う事業者の選定を進めていたJSC=日本スポーツ振興センターは審査の結果、優先交渉先としてNTTドコモやサッカーJリーグなどでつくるグループを選んだと発表しました。

JSCが所有する国立競技場は運営を来年4月から民間に移行する方針で、運営事業者の審査の結果が3日発表されました。

それによりますと、参加表明があった3つのグループから優先交渉先として選んだのは、NTTドコモを代表とし、サッカーJリーグなど3つの企業と1つの公益社団法人からなるグループだということです。

このグループの提案額は運営期間の30年で528億円に上り、国が年間およそ10億円を上限に公費負担するとしていた維持管理費についてもグループ側が賄う計画で、国による赤字補填(ほてん)は発生しない見通しです。

ただ、土地を所有する東京都などへの年間およそ11億円の賃借料は引き続き国が負担するということです。

優先交渉先に選定されたグループは民間の最先端技術を活用し、大型ビジョンやグループ席を新設し、スポーツ大会やコンサートなど多様なイベントの開催で収益拡大を図る計画です。

JSCは「屋外スタジアムビジネスの新たな可能性を切り開く意欲的な事業内容だ。提案された事業内容が着実に推進され、国民に親しんでいただけるスタジアム民間事業化が実現するよう取り組んでいく」と話しています。

JSCは今後、グループ側と基本協定を結んだうえで9月ごろには契約を締結し、来年4月からの民営化を実現する方針です。