保育士の配置基準見直し 約30%が“実施できる時期分からず”

今年度、国は3歳児から5歳児まで、保育士の配置基準を一部見直しましたが、新たな基準どおりの配置ができず、実施できる時期が分からないという保育施設がおよそ30%に上るという民間の調査結果がまとまりました。

このアンケート調査は、保育士や保護者でつくる団体が実施したもので、先月までに回答があった全国24%にあたる417の市区町村を通じて、およそ1万2000の保育施設の状況を調べました。

このなかで、今年度から、3歳児から5歳児まで見直された保育士の配置基準の実施状況を聞いたところ、新たな配置基準を実施済みか、実施年度を決めていると回答した施設がおよそ70%で、実施ができず、時期も明確にできないという施設はおよそ30%に上りました。

実施に向けた課題を自治体に聞くと、「正規職員の採用」と「会計年度任用職員の採用」と回答したのが63%にのぼり、保育士の確保が一番の課題になっていました。

新たな配置基準では、保育士ひとりが担当する3歳児の基準は「20人」から「15人」に、4、5歳児の人数は「30人」から「25人」に、なりましたが、国は経過措置として、当面従来の基準で運営することを認めています。

調査を行った団体は3日、厚生労働省で記者会見を開いて、詳しい調査結果を公表することにしています。