ヨーロッパ議会選挙を前に 仏で支持率トップの極右政党が集会

EU=ヨーロッパ連合の今後の重要政策を左右するヨーロッパ議会選挙は、6月6日から始まる投票を前に、EUに懐疑的な右派や極右が議席を伸ばす勢いで、このうちフランスでは、支持率でトップの極右政党が集会を開き、移民の制限などを訴えました。

ヨーロッパ議会選挙は、EUの議会にあたるヨーロッパ議会の議員を5年ごとに選出する選挙で、6月6日から9日にかけて各国で投票が行われます。

選挙前の最後の週末、各地で選挙集会が行われ、フランスでは極右政党の国民連合が首都パリで6月2日に大規模な集会を開きました。

市内のイベント会場にはおよそ5000人が集まり、国民連合の党首で28歳のジョルダン・バルデラ氏が大きな歓声で迎えられていました。

国民連合は、移民を制限するためEUの国境管理を厳格化することや、物価高を引き起こすとしてEUの環境政策に反対することなどを訴え、世論調査での支持率は30%を超え、マクロン大統領の与党に2倍の差をつけています。

バルデラ氏は「すぐに移民政策の主導権を取り戻さなければ、私たちの文明は滅びかねない」などと支持を訴えていました。

21歳の男子大学生は「私にとってEUは、各国の意見を集めているだけで、民主的とは言えません。フランスの主権を取り戻すべきです」と話していました。

政治専門サイト「ポリティコ」の5月31日付けの世論調査では、EUに懐疑的な右派政党や極右政党が議席の20%以上を占める勢いとなっていて、どこまで議席を伸ばすかが焦点となっています。