能登半島地震5か月 発生時刻の被災地の声「どこに復興あるか」

能登半島地震の発生から1日で5か月です。
石川県内ではこれまでに災害関連死を含めた死者が260人にのぼり、3人が行方不明となっています。地震の発生した時刻の午後4時10分、被災した地域では、亡くなった人たちへ祈りをささげる人の姿が見られました。

石川県輪島市 朝市通り 「時が止まったまま」

地震で大規模な火災が発生した石川県輪島市の「朝市通り」では地震発生時刻の午後4時10分にあわせて手を合わせる人の姿が見られました。

地震と火災でいずれも夫の伯母といとこを亡くした畠中久美子さん(64)は、朝市通りで2人の家があった場所を訪れました。この時間には畠中さんの友人も、畠中さんの夫の伯母が好きだったというあじさいを持って訪れ、ともに手を合わせていました。

畠中さんは「優しい2人が亡くなったとは思えず気持ちとしては1月1日から時が止まったままですが、残された者として1日1日を大切に過ごしたいと思います」と話していました。

石川県輪島市 中心部「街中の様子が変わらず複雑な気持ち」

石川県輪島市の中心部では倒壊したままとなっている建物の近くを歩く人の姿が見られました。

市内に住む70代の男性は「地震が起きた時間には近くで孫と遊んでいました。5か月は早かったような気がしますが、ほとんど街中の様子が変わっていないのであまり実感が湧きません。復興はあまり進んでないのかなと思います」と話していました。

飲食店に勤める50代の女性は「地震の発生時刻にアラームをかけて職場のスタッフ全員で黙とうをささげました。仮設住宅と半壊した自宅を行ったり来たりしていますが、業者が来ているのに周囲の建物も倒れたままで、街中の様子が変わらず複雑な気持ちです。地震の時は真冬で寒かったのにもうすぐ夏で、5か月は早かったです」と話していました。

石川県珠洲市 飯田港「どこに復興があるのか」

津波による被害が出た石川県珠洲市の飯田港では津波で打ち上げられたとみられる船が岸壁に乗り上げたままになっています。地震の発生時刻の午後4時10分には港から海を見つめる人の姿も見られました。

港の近くに住む70代の女性は「珠洲の町並みを見てどこに復興があるのかわかりません。復興しても人が戻ってくるのか、先が見通せず不安です」と話していました。