前澤友作氏 月周回旅行の中止を発表 宇宙船完成の見通し立たず

実業家の前澤友作さんが計画していた月を周回旅行するプロジェクトについて、アメリカの民間企業が開発している大型宇宙船の完成の見通しが立たないとして、1日にプロジェクトの中止が発表されました。

前澤さんは2021年に、日本の民間人で初めて国際宇宙ステーションの滞在に成功しましたが、その後、新たな宇宙旅行のプロジェクトを立ち上げ、100万人を超える応募者から、韓国のアーティストやアメリカのDJなど6か国8人を選び、月を周回して地球に帰還する1週間程度の旅行を計画していました。

しかし、1日にプロジェクトは、公式ホームページで計画の中止を発表しました。

中止の理由についてプロジェクトは、搭乗する予定だった大型宇宙船「スターシップ」の完成が、
▽当初計画していた2023年からすでに遅れているうえに
▽実現の見通しも立たないことなどをあげています。

「スターシップ」は、アメリカの宇宙開発企業「スペースX」が、月や火星への飛行を想定して開発を進めていて、ことし3月に、3回目となる試験飛行が行われましたが、宇宙空間に到達したものの、大気圏に再突入後の試験終盤で信号が途絶えるなど、開発の遅れが指摘されています。

前澤さんは、Xの公式アカウントで「このままでは僕自身の人生計画が立てられないし、誘ったクルーをこれ以上お待たせし続けるのも申し訳ないので、いろいろと悩みましたがキャンセルすることにしました。楽しみにしてくれていた方には本当に申し訳ないです」とコメントしています。