「NHKハート展」障害のある人や家族がつづった詩を紹介 東京

障害のある人やその家族たちがつづった詩を紹介する「NHKハート展」が、1日から東京・渋谷で開かれています。

「NHKハート展」は、障害のある人もない人も互いに理解し、ともに生きる社会の実現を目指してNHKなどが毎年、開いています。

28回目のことしは、障害のある人に加えて、家族などからも初めて詩を募集し、2800余りの作品から選ばれた50点が展示されています。

このうち、視覚に障害がある田中栄子さん(74)が孫との日常を書いた作品は、「つうちゃんありがとう 生後11か月のあなた おばあちゃんは目が見えないこと もうわかるのね 『つうちゃん』と呼ぶと『はーい』と答えるあなた パパやママが呼んでも目を合わせてほほ笑むだけ」とつづられています。

また、リウマチの母を持つ大石さち子さん(67)の作品「庭の薔薇」は、「『何でこんなになっちゃったの』全身不随の母が問う 『死にたい』と母が泣く 『うん』と言って下向く私 『薔薇咲いたね』とポツリと母」とつづられています。

大石さんは、「私も今まで園芸は一切していなかったですが、母を元気づけるためにばらを作り、それが母の生きがいになったのかなと思います」と話していました。

このほか会場では、大河ドラマ「光る君へ」に出演している俳優の町田啓太さんなどによる詩の朗読を、スマートフォンなどで聞くこともできます。

東京での「NHKハート展」は、「渋谷スクランブルスクエア」で7月15日まで開かれています。