能登半島地震 政府対応の検証素案“状況把握 物資輸送に課題”

能登半島地震から5か月となる中、政府は、これまでの対応を検証した報告書の素案をまとめました。状況の把握や物資の輸送に時間がかかった点が課題だとして今後は無人機などの最新技術も生かし、対応の改善を図っていくとしています。

能登半島地震をめぐり、政府は、関係府省庁の担当者による作業チームを設けて、初動を含めたこれまでの対応を検証し、報告書の素案をまとめました。

この中では、発生が日没近くだったのに加え、地理的な制約のある半島で道路が寸断されたこともあり、被害状況の把握や物資の輸送に時間がかかった点などが課題だとしています。

そして、これらを教訓に、夜間などでも現地の情報を集め、物資の輸送もできる高性能の無人機の活用に加え、道路の復旧手順などを定めた「道路啓開計画」をあらかじめつくるなど、対応の改善を図っていくとしています。

また避難所の運営についても、長期の断水で、衛生環境の確保が十分でなかったと指摘し、災害時にトイレを確保する計画の策定や、防災用の井戸の整備、トレーラーハウスを迅速に届ける仕組みの構築などを、改善策として明記しています。

政府は、この素案をもとに詰めの検討を進め、今月中にも正式な報告書をまとめたい考えです。

また現地では、5か月たった今も、断水が続く地域や、建物の解体・撤去が進んでいない地域もあるため、政府は、自治体による公費解体を支援するなど、復旧に向けた取り組みを急ぐことにしています。