サニブラウンが9秒99でパリ五輪代表内定 陸上 男子100m

ノルウェーで行われた陸上の国際大会の男子100メートルで、サニブラウン アブデル・ハキーム選手が9秒99のタイムをマークして2位に入り、パリオリンピックの参加標準記録を切ったためオリンピックの代表に内定しました。

男子100メートルで日本歴代2位の9秒97のタイムを持つサニブラウン選手は、去年の世界選手権で6位に入賞していて、パリオリンピックの参加標準記録10秒00をマークすることが代表に内定する条件でした。

30日、ノルウェーで行われた陸上の世界トップ選手が集まる「ダイヤモンドリーグ」の第6戦の男子100メートルに出場したサニブラウン選手は、追い風0.4メートルの条件の中、スタートから勢いよく飛び出すと中盤以降は混戦となりながらフィニッシュし、9秒99のタイムで2位に入りました。

この結果、日本陸上競技連盟の選考基準を満たしたためパリオリンピックの代表に内定しました。サニブラウン選手は男子200メートルで東京オリンピックに出場していて2大会連続のオリンピック代表内定です。

優勝は9秒94をマークした南アフリカのアカニ・シンビネ選手でした。

大会ではこのほか、田中希実選手が女子3000メートルに出場し、自身が持つ日本記録を更新する8分34秒09の好タイムをマークし10位に入りました。

◇サニブラウン 2大会連続の五輪へ

2023年世界選手権 男子100m決勝で6位入賞

サニブラウン アブデル・ハキーム選手は、ガーナ出身の父親と日本人の母親を持つ25歳。1メートル90センチの体格を生かしたストライドの大きな走りが持ち味です。

16歳だった2015年の世界ユース選手権で男子100メートルと200メートルで2冠に輝き、200メートルではウサイン・ボルトさんが持っていた大会記録を更新して注目を集めました。
2017年の9月にはアメリカの強豪、フロリダ大学に進学し、2019年6月の全米大学選手権で9秒97という当時の日本記録をマークしました。

初めてのオリンピックとなった前回の東京大会では男子100メートルでの出場を逃し、200メートルで出場したものの予選で敗退するなど本来の力を発揮できませんでした。

それでも、翌年の世界選手権では、日本選手で初めて決勝に進んで7位入賞を果たし、去年の世界選手権でも準決勝で自己ベストにならぶ9秒97をマークし、決勝では6位に入って2大会連続で入賞するなど世界の舞台で結果を残してきました。

今シーズンも3月にアメリカ行われた大会で10秒02のタイムを出して好スタートを切り、徐々に調子を上げていました。