ブラジル大規模洪水 日系人が多く暮らす地域でも影響が長期化

4月の末からの大雨で大規模な洪水が発生したブラジルの南部では広い地域で水が引かず、日系人が多く暮らす地域でも浸水の被害が続くなど影響が長期化しています。

ブラジル南部のリオグランデドスル州では4月末からの大雨で各地で大規模な洪水が起き、現地の防災当局は29日の時点で169人の死亡が確認され、44人の行方がわかっていないとしています。

州都のポルトアレグレでは広い地域で20日以上浸水が続いていて、多くの市民が長期間にわたって避難を強いられています。

現地には多くの日系人も暮らしており、日系人向けの訪問診療などを行っている南日伯援護協会では、市内の北部にある事務所が一時、深さおよそ3メートルまで浸水し、現在も1メートルを超える浸水が続くなどの被害が出ています。

ボートを借りて洪水発生後、初めて事務所前を訪れたという日系2世のヒワタシ・ミルトン副会長は「事務所の中にあるものは、おそらくすべて失われてしまいとても悲しい。洪水の被害を受けて家を出た日系人もいる」と話していました。

被災地では治安の悪化に加えて、感染症の流行も懸念されていて、国際社会などからのさらなる支援が求められています。