マレーシア 死刑確定の日本人元看護師 禁錮30年に減刑

マレーシアに大量の覚醒剤を持ち込んだ罪に問われ、9年前に死刑判決が確定していた日本人の元看護師に対し、マレーシアの裁判所は禁錮30年に減刑する判決を言い渡しました。マレーシアでは特定の重大犯罪の刑罰を死刑のみとしてきた法制度が去年廃止され、確定した死刑判決を見直す動きが相次いでいます。

青森県出身の元看護師、竹内真理子受刑者(50)は、15年前の2009年、アラブ首長国連邦からマレーシアの首都クアラルンプールの空港に到着した際、スーツケースの中におよそ3.5キロの覚醒剤を隠し持っていたとして薬物の不正取引の罪に問われました。

竹内受刑者は「スーツケースの中身は知らなかった」などとして無罪を主張しましたが、日本の最高裁判所にあたる連邦裁判所で死刑判決が確定していました。

そのあと、去年になってマレーシア政府が、特定の重大犯罪の刑罰を死刑のみとしてきた法制度を廃止したことから、竹内受刑者が再審=裁判のやり直しを請求しました。

29日開かれた裁判で、連邦裁判所は、竹内受刑者を禁錮30年に減刑する判決を言い渡しました。

死刑制度をめぐる議論が続いてきたマレーシアでは、従来の法制度の廃止を受けて確定した死刑判決を見直す動きが相次いでいます。