サムスン電子 創業以来初のストライキへ 半導体事業への影響も

世界的半導体メーカーの韓国・サムスン電子の労働組合は経営側との交渉が決裂したとして創業以来初めてのストライキに入ることを明らかにし、半導体事業への影響に関心が集まっています。

ことし1月からサムスン電子の経営側との間で団体交渉を行ってきた「全国サムスン電子労働組合」は29日、ソウルで記者会見を開き、労使交渉が決裂したとして、ストライキに入ることを明らかにしました。

組合側は来月7日に組合員が一斉に有給休暇を取得する形でストライキを行うとしていて、組合の委員長は「現段階では控えめの行動だが、徐々に段階を踏んでいく」と述べました。

韓国メディアはサムスン電子のストライキは創業以来初めてだとして大きく報じています。

ストライキを発表した労働組合はサムスン電子に存在する5つの労働組合では最大規模で、組合員の多くは半導体部門に所属しています。

サムスン電子はAIの開発に欠かせないメモリーの開発で国内のライバル企業に後れを取っていると指摘されていて、先週、半導体部門のトップが交代したばかりでした。

今回のストライキについて通信社の連合ニュースは「生産に遅れが出る可能性は低そうだが、初めてのストが現実のものとなっただけに業界の内外では懸念の声が出ている」と伝えています。

一方、サムスン電子はNHKの取材に対して「これまでどおり誠実に組合との交渉に臨む」とコメントしています。