鉄道8社 磁気付き近距離切符を「QRコード」に置き換えへ

鉄道を利用する際、長年、慣れ親しんできた磁気付きの切符。

将来的な廃止を視野に、QRコードに順次、置き換わることになりました。

JR東日本など首都圏で運行する鉄道8社が29日、発表しました。

2026年度末から順次 置き換え

首都圏で運行する鉄道8社(JR東日本、京成電鉄、京急電鉄、新京成電鉄、西武鉄道、東京モノレール、東武鉄道、北総鉄道)は、裏面に磁気の付いた、改札機に投入するタイプの現在の切符を、近距離については将来的に、印字されたQRコードを改札機にかざすタイプのものに置き換えていく方針を発表しました。

置き換えは、2年後の2026年度末から順次、実施していくとしています。

磁気付きの切符は、金属を含むことからリサイクルが容易ではなく、置き換えによって環境への負荷を低減する狙いがあるほか、改札機に切符が詰まるなどの不具合の解消にもつながるとしています。

一度、改札を通過したQRコードは利用できなくするといった、コピーなどの不正への対策も行う方針だということです。

ICカードの普及で 切符の利用率は5~10%程度まで減少

8社によりますと、ICカードなどの普及が進む中、切符の利用は減っていて、2007年はICカードの利用率が65%程度、切符の利用率が35%程度だったのに対して、現在はICカードの利用率が90%から95%程度まで上昇する一方、切符の利用率は5%から10%程度まで減っているということです。

QRコードを読み取れる改札機は、JR東日本の代々木駅など一部の駅で実験的に導入されていて、8社は、今後、順次改札機の入れ替えも行っていく方針です。

JR東日本 “丁寧に説明していく”

JR東日本マーケティング本部の高堂洋平マネージャーは、「これまでの切符ではリサイクルする際に、磁気の面をはがす必要があったが、QRコードの導入でリサイクルがしやすくなる。磁気の切符の投入からQRコードをかざす形に変わるので、お客さまが戸惑わないよう、丁寧に説明していきたい」と話していました。