鹿島道路 阪神高速や国道 9工事で契約と異なる材料使用を公表

道路の舗装工事大手が、国道や高速道路の工事で契約と異なり、使用済みのアスファルトを加工し再生した材料を使用していた問題で、新たに鹿島道路も阪神高速道路や九州の国道など、9つの工事で契約と異なる材料を使用していたと公表しました。会社は、国土交通省などに報告したとしていて「調査がまとまり次第、再発防止に万全を期します」とコメントしています。

道路の舗装工事などを手がける「NIPPO」は、4月に国土交通省などから受注した国道や高速道路などの工事で、新品のアスファルトを使う契約だったにもかかわらず、使用済みのアスファルトを加工した「再生骨材」と呼ばれる材料を使用していたと公表し、これまでに全国33の工事におよぶことが分かっています。

これを受けて、舗装工事などを手がける「鹿島道路」は、社内調査を行い、その結果、国道や高速道路の合わせて9つの工事で、契約と異なる「再生骨材」を使用していたことがわかったと、29日に公表しました。

それによりますと、判明したのは2022年5月以降に完成するなどした
▽阪神高速道路が5件
▽西日本高速道路が2件
▽佐賀県の国道3号線が1件
の工事で、いずれも新品のアスファルトを使う契約にもかかわらず、再生骨材を使用していたほか、
▽西日本高速道路の別の工事では、再生骨材を混ぜる割合が契約より多かったということです。

アスファルトは多くが再利用され、各地の道路で舗装に活用されていますが、新品と比べて耐久性が低くなる可能性も指摘されています。

鹿島道路は、国土交通省や高速道路会社に調査の結果を報告したとしていて、NHKの取材に対し「関係する皆さまにおわび申し上げます。まだ調査を続けていて、まとまり次第再発防止に万全を期します」とコメントしています。

国交省 同様の事例ないか 各社に調査要請へ

国土交通省は、ほかにも同じような事例がないか各社に調査するよう求める方針を固めました。

調査の対象は国と高速道路会社から一定の規模以上の舗装工事を受注したすべての会社で、今後、各社で調査を行ったうえで、報告するよう求めるということです。

契約では工事の完成から2年間は、問題があれば工事のやり直しなどを求めることができるため、2022年5月以降に完成したものを対象にするとしています。