津波想定した活動計画 沿岸の消防本部の31%にとどまる

津波を想定した活動計画を定めている沿岸の消防本部は、全国で31%にとどまることが国の調査でわかり、国の検討会は大津波警報が発表された能登半島地震の教訓をもとに計画の作成を促すことにしています。

能登半島地震では、大津波警報が出ている中で消火活動が行われたことから、総務省消防庁は火災の専門家や消防などで作る検討会を立ち上げ、安全確保や活動の進め方を議論しています。

28日開かれた3回目の会合では、全国の消防本部を対象に行ったアンケート調査の結果が報告されました。

それによりますと、津波を想定した活動計画を東日本大震災の報告書に基づいて定めているのは、沿岸部を管轄する343の本部のうち31%の106にとどまりました。

また、能登半島地震では木造の建物が密集する石川県輪島市の浸水想定区域で大規模火災が起きましたが、全国には同じような場所が1347か所あるということで、それらを管轄する170の消防本部のうち、計画を定めているのは36の本部でした。

検討会は能登半島地震の教訓をもとに
▽津波の浸水域で必要な装備や
▽津波警報が出ている時の活動時間の考え方などをとりまとめ
計画の作成を促すことにしています。

検討会の座長で日本防火技術者協会の関澤愛理事長は「輪島の大規模火災を踏まえて、より具体的な計画の作成につなげたい」と話していました。