“パワハラで税務署職員がうつ病” 国に賠償命じる判決

神奈川税務署で上司が職員に繰り返し「バカヤロー」などと叱ったことはパワハラにあたり、職員がうつ病になる原因になったとして、東京地方裁判所は国に80万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡しました。

およそ8年前に、神奈川税務署に勤めていた30代の男性は、当時の上司2人からパワハラを受け、うつ病を発症したなどとして国に賠償を求める訴えを起こし、国は、上司の行動は違法と評価されるものではないなどとして争っていました。

28日の判決で東京地方裁判所の荒谷謙介裁判長は、男性がカーナビの目的地の入力に手間取ったり、領収書の宛名を誤ったりしたときに上司が「バカヤロー」と繰り返し叱ったことのほか、別の上司も男性のことを「気持ち悪い」などと言ったことを認めました。

その上で「一つ一つは大きな心理的負荷を生むものではないが、継続的に行われることで感じる精神的な負荷は大きい。うつ病の発症は上司らのパワハラ行為によるものといえる」などとして国に慰謝料など80万円あまりの賠償を命じました。