バレーボール 高橋藍 サントリー加入で会見“世界一を目指す”

バレーボール男子日本代表の中心選手で、ことし秋から始まる国内の新たなトップリーグ『SVリーグ』のサントリーサンバーズに加入する高橋藍選手が入団会見を行い「世界一を目指すチームで頑張りバレーボールを夢のあるスポーツにしたい」と意気込みを話しました。

22歳の高橋選手は今シーズンまでの3シーズン、世界最高峰のイタリア1部リーグでプレーしていましたが、この秋からの次のシーズンは国内の新たなトップリーグとして始まる『SVリーグ』のサントリーサンバーズに加入することになりました。

28日都内で行われた入団会見にはオンラインでの参加を含め100人を超える報道陣と、20台近いテレビカメラが集まりました。

高橋選手はまず日本でのプレーを決めた理由について「イタリアで一定の評価を得たなかで、新たな環境に身を置きバレーボール選手としてさらに進化するための挑戦だ。トルコやポーランドも選択肢にあったが、日本のリーグが世界最高峰を目指す新リーグに移行することで、世界的にも注目されていることや外国人枠が増えて日本の緻密なバレーボールに世界のトップ選手のパワーも加わることでさらに自分が成長できると感じた」と説明しました。

そのうえでサントリーを選んだ理由としては「世界一を目指しているチームであることが一番大事だった。日本のチームとして初めて国際大会でメダルを取ったところでもあるし、世界一を目指せると思って決断した」と話しました。

契約は「1年ごとの勝負に徹したい」という思いから単年で、背番号は『12』に決まり、「パリオリンピックもあるのでチームでも日本代表でも世界一を目指して頑張っていきたい。バレーボールを夢のあるスポーツにしたい」と意気込んでいました。

パリ五輪期待 高橋藍選手とは?

高橋藍選手は京都市出身の22歳。

2歳上の兄で、サントリーではチームメートとなる兄の塁選手を追いかけて小学生の時にバレーボールを始めました。

中学時代の、守備的なポジション・リベロの経験を生かした高いレシーブ力に加え、1メートル88センチとバレーボール選手としては長身ではないものの高い跳躍力があり、力強いスパイクやサーブも得意とするオールラウンダーです。

地元・京都の東山高校では3年生の時にキャプテンとしてチームを全日本高校選手権初優勝に導き、その直後から日本代表入りを果たしました。

東京オリンピックにはチーム最年少の19歳で出場し、ベストエイト進出に貢献したほか、パリオリンピック予選でも、日本代表の中心選手として2008年の北京大会以来の自力でのオリンピック出場権獲得に大きく貢献し、パリ大会でも活躍が期待されています。

また、日本体育大在学中から世界最高峰のイタリア1部リーグに挑戦し、今シーズンは強豪のモンツァでプレーしてチームをプレーオフで準優勝に導きました。

プレーだけでなく、明るいキャラクターでも注目を集め、インスタグラムのフォロワー数は200万人を超える人気選手です。

『SVリーグ』とは?

『SVリーグ』は2027年シーズンまでの完全なプロリーグ化、そして2030年に世界最高峰のリーグになることを目指して、ことし10月からスタートするバレーボールの新しいリーグです。

『SV』の『S』にはStrong(強く)Spread(広く)Social(社会)などの意味が込められています。

Jリーグの常務理事やBリーグのチェアマンなどスポーツビジネスでの経験が豊富な大河正明さんが副会長にあたるバイスチェアマンを務め、ライセンスの交付基準をJリーグやBリーグを参考により厳格化しました。

最初は完全なプロリーグの形にはこだわらず、これまでと同様、実業団チームの参加を認める一方、ユースチームを保有することや、ホームアリーナはホームゲームを80%以上行えることに加え、2030年以降は5000人以上を収容できること、売上高についても2026年のシーズンまでが4億円以上、それ以降は6億円以上にすることなどを求めています。

そして、2027年のシーズンまでにはすべてのチームが運営法人を持った完全なプロリーグ化を目指すとしています。

1年目は女子が14チーム、男子が10チームでスタートし、地域密着の理念のもと、多くのチームが名称に地名を入れることにしています。

リーグは男女ともにホームアンドアウェー方式で各22試合ずつ、合計44試合が行われます。

また、外国人選手の登録が可能な枠も現行の1から2に増やし、関係者によりますと、各国の代表クラスのトップ選手を獲得して強化を見据えるチームもあるということです。

スポーツのプロ化が進む中、地域に根づきながら競技面でも運営面でも世界最高峰を目指す動きに注目が集まります。