島国支援話し合う国連の会議 “気候変動深刻 先進国対応を”

気候変動で深刻な影響を受けている世界の島国への支援のあり方を話し合う10年に1度の国連の会議が、カリブ海の島国アンティグア・バーブーダで始まりました。島国の途上国の首脳らは、気候変動によって深刻な影響を受けていると訴え、先進国に対して支援のための新たな資金拠出などより踏み込んだ対応をとるよう求めました。

この会議は、島国の途上国で作るグループを中心に、国連が10年ごとに開いているもので、27日からカリブ海の島国、アンティグア・バーブーダで始まり、日本を含むおよそ100か国が参加しました。

冒頭、国連のグテーレス事務総長は「気候変動は人類全体の存亡の危機につながるものだが、島しょ開発途上国はその最前線に立たされている」と述べ、国際社会にはこうした国々を支援する義務があると強調しました。

続いて、太平洋やカリブ海など世界の島国の大統領や首相などが演説し、このうち太平洋の島国、サモアのフィアメ首相は「私たちが暮らす世界には、対立や欠乏、不平等が渦巻いている。未来は不安定にみえ、海面は上昇し、借金は急増し、人々は苦闘している」と述べ、先進国に対して新たな資金拠出などより踏み込んだ支援を行うよう、迫りました。

会議の最終日の今月30日には今後10年間を見据えた行動計画を採択する予定で、島しょ途上国の債務問題を解決する金融システムや資金援助の新たな枠組みなど、長期的な支援体制を確立できるのか、国際社会の対応が問われます。

穂坂外務政務官「しっかりと支援していく」

会議に出席した穂坂外務政務官は、27日、NHKの取材に対し「台風や津波、海面上昇など海と接する国々のリスクは急速に高まっている」と指摘しました。

そして、10年に1度開かれる今回の会議について「10年が経過するのは早いので、この節目の時点でそうした課題をみんなでしっかりと話し合うことは非常に重要だ」と述べました。

そのうえで日本政府の対応として「10年投資したものが1つの災害で一気に吹き飛ぶようなこともある。さまざまな特異な状況をみながらしっかりと支援していくという考えを示したい」と述べ、島国の途上国のニーズに合わせて支援を行っていく方針を示しました。