青森 白神山地のシンボル「マザーツリー」 完全に枯れたと発表

世界自然遺産「白神山地」のシンボルとして「マザーツリー」の名で親しまれた青森県のブナの巨木は、6年前の台風で幹から折れ、腐敗を防ぐ薬剤を塗るなどの対応がとられていましたが、管理する森林管理署は完全に枯れたと発表しました。

「マザーツリー」は、青森県西目屋村にある樹齢が推定400年、高さ30メートルほどあったブナの巨木です。

世界自然遺産に登録されている「白神山地」のシンボルとして、多くの人から親しまれてきましたが、6年前の台風で幹から完全に折れたことから管理する津軽森林管理署は折れた幹の断面に腐敗を防ぐ薬剤を塗るなどの対応をとってきました。

森林管理署によりますと、その後は毎年、根を張った部分の枝に葉がつくなどしていましたが、24日確認したところ新たな芽吹きが見られず樹木医が完全に枯れたと診断したということです。

幹が折れて大きな負荷がかかり木が弱っていたと考えられるということです。

森林管理署は「自然の推移を見守りたい」と伐採はしないということですが、倒木のおそれがあることから木につながる遊歩道は通行止めを続けるとしています。

西目屋村の桑田豊昭村長は「人間でいえば天寿を全うしご苦労様という思いです」と話していました。

「白神山地ガイド会」の渡邊禎仁代表は「残念ですが、自然の中で命が巡っているのでしかたない。今までシンボルとして観光客を呼び寄せてくれたので今は安らかに休んでほしい」と話していました。