国交省 日本航空の社長を厳重注意 旅客機でのトラブル相次ぎ

日本航空では今月に入って旅客機が誘導路の停止線を大幅に越えたり、旅客機どうしの翼が接触したりするなどトラブルが相次いでいます。これを受けて国土交通省は27日鳥取三津子社長を呼び、厳重に注意しました。

日本航空をめぐっては、今月10日に福岡空港で旅客機が滑走路手前にある誘導路の停止線を大幅に越えたほか、今月23日には羽田空港の駐機場で隣り合って移動していた旅客機どうしの翼が接触しました。

さらに、先月には、旅客機の機長がアメリカに到着したあと、滞在していたホテルで酒に酔って騒ぎ、現地の警察から口頭注意を受け、この機長が乗る予定だった羽田行きの便が欠航するなど、トラブルが相次いでいます。

こうした事態を受け、国土交通省は27日、日本航空の鳥取三津子社長を呼び、平岡成哲航空局長が厳重に注意しました。

平岡局長は「安全管理システムが現場を含めた社内全体に対して有効に機能しているとは言えない。経営トップが率先して航空安全に対する意識の再徹底を図り、高い緊張感を持ってさらなる安全性向上に取り組むよう厳重に注意する」などと述べて文書を手渡しました。

これに対し、鳥取社長は「強く責任を感じている。私が責任を持ってリーダーシップを発揮し再発防止策に取り組んでまいりたい」と話しました。

そのうえで、国土交通省は日本航空に対し、来月11日までに再発防止策をまとめ報告するよう求めました。

日本航空 鳥取社長「最大の問題は連続して発生」

日本航空の鳥取社長は厳重注意の文書を手渡されたあと、取材に応じ「お客様や関係の皆様に多大なご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げる。このような事態が発生していることを社長として強く責任を感じている」と陳謝しました。

そのうえで「一つ一つについては再発防止策を立てているところだが、最も大きな問題は、類似事例にもかかわらず、連続して発生していることにある。これまで考えていたこと以外に要因が潜んでいることも考えられるので、しっかりと分析したうえで対策をとっていきたい。新型コロナの感染拡大を経てこれまでどおりの忙しさが戻ってきたこともあり、人材不足というのももしかしたら要因の中にあるかもしれない」などと述べました。