この中で、ラロイア氏は歴史的な円安ドル高について、「円安は主にドル高によるもので率直に言って、ドルはすべての通貨、特に円に対して強い。日本のインフレ環境を考慮すると、日銀は今後利上げに踏み切るだろう。今後12か月から18か月で円相場が反転し、対ドルで円高が始まるとみている」と述べ、アメリカの利下げと日銀の追加利上げをきっかけに円高基調に転じるという見通しを示しました。
そのうえで、日本経済への影響については「日本企業の多くは製品を輸出しているので、円安は有益だ。しかし、たとえ円が1ドル=140円になったとしても、日本企業の収益性はほぼそのまま維持されるだろう」と述べました。
一方、東京株式市場では日経平均株価がことし3月に初めて4万円台に乗せましたが、このところは足踏みしています。
株式市場の見通しについてラロイア氏は「日本企業は、コーポレート・ガバナンスの観点からもキャピタルリターンの観点からも劇的に変化している。マクロ的な理由でもミクロな理由でも、日本への関心は非常に高い。私たちの見方では、日本市場は今後12か月から18か月にわたって非常に魅力的な上昇局面をもたらすと考えている」と述べました。
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“日銀の追加利上げきっかけに円高基調に” 米投資銀行幹部
アメリカの大手投資銀行、モルガン・スタンレーでアジア地域のトップを務めるゴクール・ラロイア氏がNHKのインタビューに応じ、外国為替市場で続く歴史的な円安について、アメリカの利下げと日銀の追加利上げをきっかけに円高基調に転じるという見通しを示しました。