【詳細】イスラエル・パレスチナ 中東情勢(5月26日)

深刻な食料不足が続くガザ地区で、エジプトからの支援物資の搬入がイスラエル側の検問所を通じて再開される見通しとなり、人道状況の改善につながるかが焦点となっています。

一方、戦闘休止と人質の解放をめぐる交渉が近く再開される見通しだと伝えられるなか、ハマス幹部は改めて即時停戦を求めました。

※中東情勢に関する日本時間5月26日の動きを随時更新してお伝えします。

ガザ地区 エジプトからの支援物資 再開の見通し

イスラエル軍が今月、南部ラファで地上作戦を開始してからガザ地区ではエジプトとの境界にあるラファ検問所が閉鎖されるなど、深刻な食料不足が続いています。

こうした中、アメリカのバイデン大統領とエジプトのシシ大統領が24日、電話会談を行い、イスラエル側のケレム・シャローム検問所を通じてエジプト側が暫定的に支援物資の搬入を再開することで合意しました。

ロイター通信は26日、エジプトの赤新月社の担当者の話として、およそ200台のトラックがガザ地区に入る予定だと伝えていて、人道状況の改善につながるかが焦点です。

一方、一部のメディアは25日、当局者の話として、戦闘の休止や人質の解放をめぐる交渉が再開される見通しだと報じています。

これに対して、ハマスの幹部はアルジャジーラの取材に対して「仲介者から何も聞いていない」とした上で、改めて即時の停戦とイスラエル軍のガザ地区からの撤退が条件だと強調しました。

ハマスの壊滅を掲げるイスラエル側との立場の隔たりは大きく、交渉の先行きは不透明です。

ICJ命令後もラファでの攻撃継続 交渉再開は不透明

国際司法裁判所がガザ地区南部ラファでの攻撃を直ちに停止するよう暫定的な措置を命じた24日も、イスラエル軍はラファを含むガザ地区各地で軍事作戦を続け、数十人の戦闘員を殺害したと発表しました。

ガザ地区の保健当局は25日、過去24時間に46人が死亡し、これまでの死者は3万5903人にのぼっていると伝えています。

こうした中、一部のメディアは当局者の話として、行き詰まっているイスラエルとハマスの間の戦闘休止と人質の解放をめぐる交渉が、近く再開される見通しだと伝えました。

このうちロイター通信は、イスラエルの情報機関モサドの長官とアメリカCIA=中央情報局の長官、それに仲介役のカタールの首相が会談して交渉の再開を決定したとして「仲介役のエジプトとカタールが主導し、アメリカの積極的な関与のもと新たな提案に基づく交渉を開始することになった」と伝えています。

ただ戦闘の休止が実現したのは去年11月下旬からの7日間だけで、その後の交渉ではイスラエルとハマスの立場の隔たりが埋まらずに合意にはいたっておらず、交渉の再開が事態の打開につながるかは依然不透明です。