サッカーACL 決勝第2戦 横浜FM アルアインに敗れ 初優勝ならず

サッカーのアジアナンバーワンクラブを決めるACL=アジアチャンピオンズリーグ決勝の第2戦で、横浜F・マリノスはUAE=アラブ首長国連邦のアルアインに1対5で敗れました。2試合の合計得点は3対6となり、F・マリノスの初めての優勝はなりませんでした。

ACLの決勝は、F・マリノスとアルアインがホームアンドアウェー方式で戦い、2試合の合計得点で優勝を争います。

F・マリノスは、11日、ホームでの第1戦でアルアインに2対1で逆転勝ちし、25日、アウェーで第2戦に臨みました。

F・マリノスは前半8分に自陣ゴール前で細かいパスをつながれて先制点を許すと、ディフェンダーの畠中槙之輔選手がペナルティーエリア内で相手選手と交錯したプレーがファウルを取られ、33分にペナルティーキックを決められて2点目を失いました。

一方、F・マリノスは40分、前線で相手からボールを奪ったフォワードのヤン・マテウス選手がゴール前で鮮やかな切り返しからシュートを決めて1点を返し、1対2で試合を折り返しました。

しかし、前半のアディショナルタイムにゴールキーパーのポープ・ウィリアム選手が相手選手との1対1の決定的な場面で相手選手を倒したとしてレッドカードを受けて退場となり、F・マリノスは1人少ない10人での戦いを強いられました。

後半は攻め込まれる展開が増え、22分にアルアインに3点目を奪われてリードを広げられると、試合終了間際にも立て続けに2点を失って1対5で敗れました。

この結果、対戦成績は1勝1敗で2試合の合計得点は3対6となり、F・マリノスは6回目のACL出場で悲願の初優勝はなりませんでした。

横浜FM キューウェル監督「本当によく戦ってくれた」

横浜F・マリノスのハリー・キューウェル監督は試合後のインタビューで「選手たちは90分間を通して本当によく戦ってくれた」と頑張りをたたえたうえで「ただ、レフェリーによってかなり崩されたのは事実だ」と述べました。

そして「遠くまで多くのサポーターが来てくれてうれしかった。残念な結果を見せたくはなかった。いつも最高の後押しをしてくれた」と、アウェーの中声援を送り続けたサポーターへの感謝の思いを口にしました。

ディフェンダー 松原健「力不足、それに尽きる」

先発出場したディフェンダーの松原健選手は「アジアの壁を知った。最善の準備をしてきたつもりだが、結果が出ないと言うことは何かが足りない。僕たちの力不足、それに尽きると思う。一人一人のメンタリティーをもっと強く持たないといけないし、10人になったとしてもチームがバラバラにならず、もっとまとまる必要があった」と悔しさをにじませました。

そして「中2日でJリーグの試合があるので、しっかり気持ちを切り替えたい。チームとしてまとまってやっていくしかない」とみずからに言い聞かせるように話していました。

キャプテン 喜田拓也「時間かかっても前を向く」

キャプテンの喜田拓也選手は「たくさんの人に期待してもらっていた。F・マリノスに関わるすべての人や、Jリーグ、日本を代表して結果を届けたかったが、自分たちの力が足りず優勝を届けられなくて本当に申し訳ない。この悔しさはずっと忘れず胸に刻みたい」と話しました。

そして「ここまでの歩みがすべて否定されるわけではない。みんなで歴史を変え続けた戦いを捨てるのはもったいない。悔しさしかないが、これさえも次につなげないといけない。時間がかかってもみんなで前を向きたい」とことばを絞り出すように話していました。

快進撃も大敗… 悔しさと宿題を胸にJリーグの舞台へ

2年連続6回目のACL出場となった横浜F・マリノス。アジアの強豪を次々と破ってこれまでの最高成績だったベスト16を大きく上回る快進撃を見せました。

しかし、最後の最後でUAEの強豪、アルアインに実力差を見せつけられた形となりました。今月11日、ホームでの第1戦は5万3000人を超える観客の声援を受けて逆転勝ちし、引き分け以上で初優勝が決まる大一番。アウェーの雰囲気の中、前半いきなり2点を失う苦しい展開となり、レッドカードを出されて1人少ない10人での戦いとなった後半は、さらに相手の勢いに押されました。

終わって見れば5失点の大敗。アジアで存在感を増す中東のチームとの実力差を感じざるをえない内容でした。

▽フィジカルの強さ
▽パスなどプレーの精度
▽チャンスを決めきる決定力
▽苦しいときにチームを立て直す修正力

さまざまな宿題が残りました。

試合後はアウェーの中、声援を送り続けたサポーターとともに涙を流した選手たち。フル出場したディフェンダーの松原健選手は、「最善の準備をしてきたが、それでも結果が出ないということは何かが足りない。アジアの壁を知った」とことばを絞り出しました。

小学生のときF・マリノスの下部組織に入り、以来一筋でプレーしてきたキャプテンの喜田拓也選手も「ただただ力が足りなかった」と悔しさをにじませました。それでも「ここまでの歩みがすべて否定されるわけではない」と、チームとしてさらに前に進む決意を示しました。

6回目のACLで初めて決勝に進んだF・マリノス。

『次こそは悲願の優勝をつかむ』

選手たちは大舞台で感じた悔しさと宿題を胸に、再びJリーグの戦いに戻ります。