相馬野馬追 2か月早く開催 暑さによる人や馬の負担軽減で 福島

福島県相馬地方の伝統の祭り、「相馬野馬追」が厳しい暑さを避けるため例年より2か月早く25日から始まり、かっちゅう姿の騎馬武者たちが街を練り歩きました。

国の重要無形民俗文化財の「相馬野馬追」は、平安時代から続くとされる伝統の祭りで、毎年7月末に開催されてきましたが、厳しい暑さによる人や馬への負担を減らすため、ことしは2か月早い25日から3日間、開催されます。

初日の25日は各地で出陣式が行われ、このうち相馬市の相馬中村神社では388人の騎馬武者を率いる「総大将」の相馬言胤さん(15)が「威風堂々進軍し、数々の武勲を上げて無事帰還するように」と、威勢よく訓示したあと、騎馬武者たちは馬に乗り、街を練り歩きました。

午後には、隣の南相馬市の旭公園で総大将や軍師などの幹部らが集う「軍者会」が開かれました。

このなかで騎馬武者として参加している狂言師の和泉元彌さんが祝いの場で舞われてきたという「祝言狂言小舞鶴亀の舞」を披露しました。

和泉さんは「近年まれに見るほど緊張したが野馬追の新たな歴史がはじまる年にこのような縁をもらったことに感謝したい」と話していました。

浪江町の50代の女性は「伝統文化の融合がすばらしいと思いました。あすも勇猛果敢に進軍するようすを楽しみにしています」と話していました。

26日は騎馬武者たちが旗を奪い合う祭りのハイライト、「神旗争奪戦」などが行われます。