パラ陸上世界選手権 最終日 佐藤友祈が「銀」 男子1500m車いす

パラ陸上の世界選手権は大会最終日の25日、男子1500メートル、車いすのクラスで世界記録保持者の佐藤友祈選手がライバルのベルギーの選手に敗れて銀メダルとなり、4連覇を逃しました。

神戸市で開かれているパラ陸上の世界選手権は、大会最終日の25日、男子1500メートル車いすのクラスの決勝が行われ、日本パラ陸上競技連盟の選考基準に基づいてパリパラリンピックの代表内定を確実にしている佐藤選手が出場しました。

この種目は、パリパラリンピックでは、実施されませんが、世界記録保持者の佐藤選手は東京パラリンピックで金メダルを獲得しています。

レースは4連覇を目指す佐藤選手がスタートから飛び出すと、ベルギーの新星、23歳のマクシム・カラバン選手がすぐ後ろにつけて勝負は2人の争いとなりました。

そして、残り200メートルでカラバン選手が一気にスピードを上げて抜け出すと、佐藤選手は、食らいつこうとギアを上げたものの及ばず、カラバン選手に6秒近く離され、3分44秒19でフィニッシュし、銀メダルでした。

佐藤選手は、今大会3つ目のメダルです。

上与那原寛和選手は4分10秒45で4位でした。

新保大和「銅」日本記録更新 男子円盤投げ

また、男子円盤投げの脳性まひなどのクラスの決勝には、23歳の新保大和選手が出場しました。

新保選手は、去年の世界選手権で4位に入って、日本パラ陸上競技連盟の選考基準に基づいて、パリパラリンピックの代表内定を確実にしています。

新保選手は、1回目の投てきで47メートル15センチをマークすると、3回目は軸足に体重をしっかり乗せて、みずからが持つ日本記録を更新する52メートル13センチまで記録を伸ばし、初めての銅メダルを獲得しました。

このほか、24日、決勝が行われた男子やり投げの腕に障害があるクラスは、山崎晃裕選手が61メートル2センチで5位、高橋峻也選手が59メートル81センチで6位、白砂匠庸選手が54メートル22センチで8位でした。

佐藤“パリでリベンジ果たす”

男子1500メートルの車いすのクラスで銀メダルを獲得した佐藤友祈選手は、「予想したレース展開は、トップスピードでの持久戦だったが、カラバン選手が最後までぴったりついてきて残り1周でギアを上げてきたので速度差があり、負けてしまった。悔しい」と話しました。

そして、3つのメダルを獲得した今大会について「取り組んできたスタートはよくなっているのかなというのは、全体的な手応えとしてあったので、そこを生かしつつ、後半と中盤をどう伸ばしていくかを課題にやっていけたらいい」と振り返りました。

そのうえで、パリパラリンピックに向けて「今大会はカラバン選手に全敗してしまったが、パリ大会では400メートルで金メダルを獲得してリベンジを果たす」と決意を新たにしました。

新保「自己ベストを年々更新 ステップアップを実感」

男子円盤投げ脳性まひなどのクラスで銅メダルを獲得した新保大和選手は「きょうは52メートルを投げてメダルを獲得することを目標にしていて、その2つをしっかりと達成できたので、自分を褒めたいと思う」と話しました。

そして、自身の日本記録を更新したことについて「きょうはターンがかみ合っていない感じがあったので、投げる瞬間にしっかり合わせることを意識して投げて風が吹いたこともあってよく飛んだ。自己ベストを年々更新して徐々にステップアップできていることを実感できたのでよかった」と振り返りました。

また、地元兵庫県で開かれた大会だったことについて「中学、高校のときの友達や会社の先輩方などたくさんの人が見に来てくれたので久しぶりに楽しんで試合ができた。声援のおかげで風が吹いたのかなと思う」と笑顔で話しました。