横須賀基地「PFAS」検出問題 米“検査不要 情報提供義務なし”

神奈川県のアメリカ海軍横須賀基地の排水から、有害性が指摘されている有機フッ素化合物=PFASの一種が高濃度で検出された問題で、詳細な情報提供を求めていた市に対し、アメリカ側から「日本には法的な基準がないので排水の検査は不要で、情報提供の義務もない」という考えが伝えられました。

おととし、アメリカ海軍横須賀基地の排水から有害性が指摘されている有機フッ素化合物=PFASの一種、PFOSとPFOAが最大で国の指針値の258倍の濃度で検出され、アメリカ側は吸着効果があるフィルターを設置しました。

アメリカ側が当初日本側に行っていた検査データの提供が去年1月を最後になくなり、濃度が安定したとしてフィルターの稼働も停止したことから、市は詳細な情報提供を求めていましたが、24日、防衛省の担当者が上地克明市長と面会し、アメリカ側から「情報提供する義務はない」と説明があったと伝えました。

理由として、日本には排水に含まれるPFOSやPFOAの法的な基準がないため、検査する必要がないとしています。

これに対し上地市長は「アメリカ側が発端なのに、検査結果の提供すらされないことに憤りを感じざるをえない。日本に排水基準がないことで、住民を守る根拠が得られないのであれば、基準を設けるよう要望する」と述べました。