AIでバイデン大統領に似せた音声作成か 政治コンサルを起訴

ことし1月、アメリカ大統領選挙に向けた予備選挙の直前に、バイデン大統領に似せたAIで作成されたとみられる音声を使って、予備選挙で投票しないよう呼びかける電話が多くの住民にかかってきた問題で、地元の司法当局は54歳の政治コンサルタントを選挙を妨害したなどとして起訴しました。

アメリカ東部ニューハンプシャー州ではことし1月、与党・民主党と野党・共和党の予備選挙が行われる直前に、この選挙で投票しないよう呼びかける電話が住民にかかってきました。

その数は数千件ともされています。

電話の声はバイデン大統領に似せてあり、AIで作成されたものとみられ、地元の司法当局は何者かが予備選挙に介入しようとしたとみて捜査を進めていました。

ニューハンプシャー州の司法当局などは23日、この事件に関わって選挙を妨害したなどとして54歳の政治コンサルタントを起訴したと発表しました。

司法当局の担当者は「今回の対応がAIやほかの手段で選挙を妨害しようと考えている者に対し強力な抑止力となることを願っている」と述べました。

生成AIをめぐってはIT各社による開発競争が加速していますが、声の生成は特に選挙の際に偽情報を拡散させるのに悪用されるリスクが指摘されています。