イラン大統領ヘリ墜落“管制との会話に不審点なし”初期報告書

イランでヘリコプターが墜落し、ライシ大統領などが死亡した事故を受け、原因の調査にあたっているイラン軍は初期段階の報告書をまとめました。管制官とヘリコプターの搭乗員との会話に不審な点はなかったなどとしたうえで、今後、さらに調査を継続するとしています。

イランでは19日、北西部の東アゼルバイジャン州でヘリコプターが墜落し、ライシ大統領やアブドラヒアン外相など搭乗していた8人全員が死亡しました。

この事故をめぐっては、イラン政府高官が悪天候が原因だとする見方を示す一方、別の高官は、当時、天候に問題はなかったと証言するなど、詳しい状況は分かっていません。

事故の翌日から現場に調査チームを派遣し、原因を調べているイラン軍参謀本部は23日、初期段階の調査報告書をまとめ、国営メディアを通じて公表しました。

それによりますと、ヘリコプターはあらかじめ決められたルートを飛行していて山に激突し、炎上したということで、機体の残骸から弾丸で撃たれた形跡などは見つかっていないとしています。

また、パイロットは事故のおよそ1分半前に、一緒に飛行していたほかの2機と交信していたほか、管制官と搭乗員との会話でも不審な点はなかったということです。

軍は今後、さらに調査を継続するとしたうえで、国民に対し、事故の原因をめぐり臆測を避けるよう呼びかけています。