イスラエル国防相 ラファでの軍事作戦 拡大の考え改めて示す

イスラエルのガラント国防相は、多くの避難者が身を寄せるガザ地区南部のラファで進めている軍事作戦について、兵力を増強し、拡大させる考えを改めて示しました。
一方、ICJ=国際司法裁判所は24日(日本時間の24日夜)、ラファでの攻撃の停止などを求める要請に対し、判断を示す見通しです。

イスラエル軍は、ガザ地区南部のラファでイスラム組織ハマスへの攻撃を続け、ロイター通信は23日、住民の話としてイスラエル軍が多くの人が残る地域に迫ろうとしていると伝えました。

イスラエルメディアによりますと、ガラント国防相は23日、「ラファでの作戦を継続し、強化する。陸からも空からもより多くの兵力を加え、目標を達成する」と述べ、作戦を拡大させる考えを改めて示しました。

こうした中、ICJ=国際司法裁判所は、ラファでの攻撃の停止などを求める南アフリカの要請に対し24日に判断を示すと明らかにしました。

ICJの判断次第ではイスラエルへの国際的な圧力がさらに高まることも予想されます。

一方、イスラエルメディアなどはイスラエルとハマスの間の戦闘の休止と人質の解放を巡る交渉を再開させようと、アメリカ、CIA=中央情報局の長官が近くヨーロッパを訪れ、イスラエルの情報機関モサドのトップと仲介役のカタールの高官と会談すると伝えました。

ただ、完全な停戦を求めるハマスとイスラエルの間では立場の隔たりが大きく、再開につながるかは楽観できない情勢です。

イスラエル政府の報道官は判断を前に、23日「イスラエルが国民を守り、ハマスを攻撃することをどんな力も止められない」と述べ、どのような判断が示されても作戦を継続する姿勢を示し、強硬な立場を崩していません。

南アフリカは、ガザ地区でのイスラエル軍の攻撃はパレスチナ人に対するジェノサイド、集団殺害にあたると訴えていてICJはことし1月にも、イスラエルに対し、判決を言い渡すまでの間の暫定的な措置として、住民の大量虐殺などを防ぐためあらゆる手段を尽くすことなどを命じています。

イスラエルはこれまでもICJの措置に反発していますが、24日の判断次第では、軍事作戦を継続するイスラエルに対し、国際社会からの圧力が一段と強まることになりそうです。