中国 台湾周辺での軍事演習 日本政府が懸念伝える 警戒監視も

中国軍による台湾周辺での軍事演習について、日本政府は、地域の緊張を高めかねないとして中国政府に懸念を伝えるとともに問題の平和的解決を求めていく考えです。
また、おととしの演習では、ミサイルが日本付近の海域に落下したことも踏まえ、警戒監視にも万全を期す方針です。

中国軍は、23日、台湾をほぼ取り囲む海域などで軍事演習を開始したと発表し、中国外務省の報道官が「1つの中国」の原則を認めない台湾の頼清徳政権を強いことばで非難しました。

林官房長官は、地域の緊張を高めかねないとして外交ルートを通じて中国政府に懸念を伝えたことを明らかにしたうえで「台湾海峡の平和と安定は、国際社会全体の安定にとっても重要で、両岸関係の推移を注視し、外交努力を続けていく」と述べました。

日本政府は、台湾をめぐる問題は対話を通じて平和的に解決するよう、アメリカなどとも連携して中国側に求めていく考えで、岸田総理大臣が日中韓3か国による首脳会議のため来週、韓国を訪問する際に、李強首相との会談が実現した場合などにも直接、伝えるものとみられます。

また、おととしの軍事演習では、中国が発射した弾道ミサイル5発が、日本のEEZ=排他的経済水域の内側に落下したことも踏まえ、警戒監視にも万全を期す方針です。