しなの鉄道 来年度中に「Suica」導入する方針 利用客の増加へ

長野県の第三セクター「しなの鉄道」は来年度中にすべての駅で交通系ICカード「Suica」を使えるようにする方針を固めました。相互乗り入れしているJR東日本は県内で「Suica」が使える駅を来年春ごろから拡大する予定で、これによって利用客の増加につなげるねらいがあります。

北陸新幹線の開業に伴い全国初の並行在来線として開業した「しなの鉄道」は、JRの信越本線に乗り入れる形で、軽井沢駅から長野駅と、長野駅と妙高高原駅とを結ぶ2つの路線を運行しています。

関係者によりますと来年春ごろからJR東日本が「Suica」が使える長野県内の駅を拡大することに伴い、「しなの鉄道」でも来年度中にすべての駅で使えるようにする方針を固めました。

交通系ICカードの導入には大きなコストがかかるため「しなの鉄道」はこれまで見送ってきましたが、沿線の人口が減少する中、利便性を向上することでインバウンドや首都圏からの利用者の増加につなげるねらいがあります。

およそ16億円の導入費用は、会社が負担するほか県と沿線の11の市と町、それに国の補助金などを活用することを見込んでいるということです。

しなの鉄道は、「導入によって利用者の増加を図ることで、中長期的な財務状況の改善につなげ、より安定した経営を目指したい」としています。