六代目山口組と絆會 特定抗争指定暴力団に指定へ 各地の公安委

抗争とみられる事件が相次いでいる指定暴力団の「六代目山口組」と「絆會」について、各地の公安委員会は、今後、抗争が激化し、市民に危険が及ぶおそれがあるとして、2つの団体をより厳しい取締りの対象とする「特定抗争指定暴力団」に指定するための手続きを、来週にも開始する見通しです。

「六代目山口組」と「絆會」をめぐっては、おととし1月、水戸市で六代目山口組系の暴力団幹部が拳銃で撃たれて死亡し、「絆會」の幹部が逮捕・起訴されたほか、同じ年の5月には、三重県伊賀市で、「絆會」の組員が六代目山口組系の組員に拳銃で撃たれて大けがを負うなど抗争とみられる事件が相次いでいます。

警察庁によりますと、2つの団体による抗争とみられる事件は、2017年以降、去年までに10件確認され、合わせて30人が検挙されています。

団体の事務所などがある兵庫県や大阪府、抗争とみられる事件が起きた茨城県や三重県などの公安委員会は、今後、抗争が激化し、市民に危険が及ぶおそれがあるとして、2つの団体をより厳しい取締りの対象とする「特定抗争指定暴力団」に指定するための手続きを来週にも開始する見通しです。

「特定抗争指定暴力団」への指定は、団体への意見聴取などを経て行われ、公安委員会が定めた警戒区域内での事務所への立ち入りや、組員が5人以上で集まること、対立する団体の事務所への接近などが禁止されます。

違反が確認された場合、警察は警告などをせずに逮捕することができます。

指定が行われれば、2012年の道仁会と当時の九州誠道会、2019年の六代目山口組と神戸山口組、おととしの六代目山口組と池田組に続いて、4例目になります。