EU AI法案が加盟国に承認され成立 規制は2026年に適用の見通し

EU=ヨーロッパ連合が世界で初めて包括的にAIを規制することを目指して手続きを進めてきたAI法案は21日、加盟国に承認され、成立しました。
一部のAIの利用を禁止したり利用に厳しいリスク管理を求めたりする内容で、2年後の2026年に規制が本格的に適用される見通しです。

EUは21日、加盟国のデジタル分野などを担当する閣僚会議を開き、AIを規制するAI法案を承認しました。

ヨーロッパ議会はことし3月にすでに承認していて、今回、加盟国の担当閣僚による承認でAI法は成立しました。

EUのAI法はリスクに応じてAIを分類し、このうち人々の社会的な信用度の評価、分類に使うAIや、犯罪を行う可能性を予測する目的で人々の特性を分析、評価するAIなどは利用が禁止されます。

また、教育機関や企業が入試や採用で人々を評価する際などに使うAIはリスクが高いとされ、偏った判断をしないよう適切なデータで学習させたり利用中は人間が監視したりするなどリスク管理が求められます。

さらに実在する人物の姿や声に似せて生成AIで作成した画像や音声などは、AIによるものだと明示して透明性を確保することが義務づけられます。

違反した企業には最大で3500万ユーロ、日本円でおよそ60億円か、年間の売上高の7%か、どちらか高いほうが制裁金として科されるという厳しい内容になっています。

この法律による規制は2年後の2026年に本格的に適用される見通しです。