1歳女児死亡 給食のりんご詰まらせた可能性 都の検証委

おととし、東京 国分寺市の認可外保育施設で、1歳の女の子が給食のりんごを食べたあと体調が急変し、その後、死亡したと都が発表しました。都の検証委員会は、りんごをのどに詰まらせた可能性があるとみていて、都に対し、施設が適切に食事を提供するためのマニュアルを作成できるよう、情報提供することなどを提言しました。

女の子が亡くなったのは東京 国分寺市にある認可外保育施設「さかのうえふれあいえん」です。

都などによりますと、おととし11月、施設の給食で1歳5か月の女の子が、大きさが2センチ四方、厚さ3ミリほどに切ったりんごを食べた際、眠そうな様子だったため、保育士が女の子を立たせて口に指を入れてかきだしたところ、泣きだしたあとに、ぐったりしたということです。

女の子は救急搬送されましたが、その後、死亡しました。

都が設置した専門家でつくる検証委員会の報告書では、女の子がりんごをのどにつまらせて亡くなった可能性があるとしています。

そのうえで、子どもを驚かせてしまうと息を吸い込み、食べ物を気道に詰まらせる危険があることや、眠気のある子どもに食事を与えるリスクなどについて指摘していて、適切に食事を提供するガイドラインがないことから、都に対し、施設が必要なマニュアルを作成できるよう情報提供することなどを提言しました。

保育施設運営がHPにコメント掲載「誠に申し訳ございません」

女の子が亡くなった東京 国分寺市の認可外保育施設を運営する「そだちの園」は21日、ホームページに「尊い命をお預かりする保育施設として、最も避けるべき事故が発生したことを深く受け止め、再発防止に努めて参ります。亡くなられた園児のご冥福を心よりお祈り申し上げます。誠に申し訳ございません」などとするコメントを掲載しました。

また、再発防止策として、食事中に一度でも眠そうな様子を確認した場合、直ちに食事を中止することや、給食のサイズについては、奥歯の生え方や家庭での食事内容によって個別に判断すること、また、食事の助けを行う際は、子どもが飲み込んだことを確認してから次の食事を運ぶことなどを行うとしています。

現場の保育施設の様子は

現場となった保育施設はJR国分寺駅近くにあり、21日午後4時ごろには利用する子どもたちが迎えに来た保護者と一緒に帰る姿が見られました。

事故があった当時、1歳の女の子を預けていたという母親はその日の施設の様子について、「目の前にあるマンションに住んでいたので、たまたま心臓マッサージをしている様子を目にしました。何かあったのかなと思ったらすぐにその日は預かりが中止になると連絡が来ました」と話していました。

その後の施設の対応については「数日後には事故に関する説明会があり、その後も定期的に事故原因などについて説明がありました。事故以降は給食に果物を一切出さなくなりました」と話していました。

そして「駅からすぐの所にあり、少人数保育を魅力に感じていますが、当時のような悲しい事故は二度と起きてほしくないです」と話していました。