ALSのうち遺伝子に変異ある患者対象の新薬 承認申請

全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症のうち、一部の遺伝子に変異がある患者を対象とした新薬について、アメリカの製薬会社の日本法人が厚生労働省に承認を求める申請を行ったと発表しました。

承認申請されたのはアメリカの製薬会社「バイオジェン」が開発した新薬「トフェルセン」です。

ALSは国内におよそ1万人の患者がいるとされていますが、会社の日本法人などによりますとこの薬は全体のおよそ2%を占める「SOD1」という遺伝子に変異がある患者が対象となるということです。

この遺伝子に変異があると異常なたんぱく質が作られて運動神経を壊すことでALSの原因となることが分かっていて、会社によりますと、この新薬は異常なたんぱく質が作られるのを防ぐことで、症状の進行を抑えることができると期待されているということです。

ALSはさまざまな原因で起こると考えられていますが、いずれも根本的な治療法はなく、この薬が承認されれば、根本的な原因に働きかける薬として国内では初めてとなるということです。

この薬は、アメリカでは、去年4月「患者に利益があると合理的に予測できる」として、深刻な病気の患者に対し、より早く治療を提供する「迅速承認」という仕組みで承認されています。