野菜の高騰続く キャベツは平年の1.8倍 なぜ?いつまで続く?

「高くて買えない…」

天候不順などの影響で、野菜の高値が続いています。特にキャベツの店頭価格は平年の1.8倍に。

家庭や飲食店への影響は、いったいいつまで続くのでしょうか。

定番の野菜が軒並み…

農林水産省はキャベツやにんじんなど、主な8種類の野菜の店頭での価格について、全国470か所で毎週調査しています。

それによりますと、5月13日から15日の平均価格はキャベツが平年の1.8倍となっているほか、にんじんも平年より4割以上、レタスも平年より3割以上値上がりしています。

このほか、きゅうりやトマトも平年より高くなっています。

東京 杉並の青果店では…

東京・杉並区の青果商では通常は99円で販売してきたキャベツ1玉が20日は358円で、高いときには600円ほどに値上げして販売したということです。

キャベツの値上がりに買い物客は「春キャベツのおいしい時期ですが、こう高いと手が出ないです」と話していました。

店員の真垣明美さん
「99円ならみんな甘くておいしいのを知っているから食べたいと思いますが、いまの値段だと食べなくていいやと思われてしまう」

神戸の青果店 タイムセールで毎日完売

キャベツの価格高騰を受けて、神戸市中心部の元町商店街にある青果店では、兵庫県産の小ぶりなキャベツを安く仕入れて数量限定でタイムセールを行い、毎日完売していると言います。

また、店では飲食店向けに店頭で販売するよりも大きなサイズのキャベツを卸していて、いまは多少落ち着いたものの、1箱6個入りで一時期は5000円を超えていたということです。

青果店 辰巳太一社長
「最近はお客さんや卸している飲食店から『高い高い』と言われたり、困っている方が多い印象です。10年以上、店をやっていますが最近は価格が2倍3倍に跳ね上がることもあり、これまで以上に値上げの幅が大きいように感じます」

買い物客からは困惑の声

キャベツの価格が高騰していることについて、神戸市中央区の青果店を訪れた買い物客からは困惑の声が聞かれました。

神戸市内に住む女性
「キャベツはすごく高いですね。生野菜をスライスしてよく食べていたのですが最近は難しくなりました。普通のスーパーでは高くて買えないので、安く売っている店でまとめ買いして節約しています」

“複数店の価格を比較しキャベツを買った”70代男性
「キャベツは野菜室に置いていたら長くもつし、常時置いている、絶対に必要なものなので高くなると困ります。商店街を往復して、安いお店を探して買うようにしています」

キャベツ 小売価格の平年比の推移

ラーメン店ではトッピングから外す動きも…

価格の高騰のため、キャベツをメニューから外す飲食店も出てきました。

東京・府中市のラーメン店では、野菜盛りラーメンの具材やトッピングとして出していたキャベツについて、20日昼の営業後の時点で在庫が5人前しかなく、なくなり次第、当面キャベツを使わないことにしました。

2か月前まではキャベツを1ケース2000円以下で仕入れられていたものが、13日からは4500円まで大きく値上がりしたため、これまでどおりの価格で販売できないとして、提供を断念したということです。

また、キャベツだけでなくスープに使う豚ガラやコメ、ノリなど食材全般で価格が上昇していることもあり、今月30日から6歳未満の子ども用を除いて、ラーメンはいずれも100円値上げする予定です。

ラーメン店 店主 木村龍二さん
「キャベツが好きなお客さんも多いのですが、ラーメンやトッピングの大幅な値上げも難しいです。仕入れ値が下がるまでキャベツを使うのは我慢しようと思います」

お好み焼き店“経営の打撃大きい”

神戸市中央区のお好み焼き店では、これまでは1箱6個入りのキャベツを2000円程度で仕入れていましたが、最近は3000円を超え、1.5倍になっているということです。

このため、店では、ふだんの仕入れ先以外に安い市場を探すなどできるだけ仕入れ価格をおさえる工夫をしているということです。

店では、野菜を減らしたり、値上げしたりすることなく、これまでどおりの価格でメニューを提供していますが、ほかの材料も値上がりしていて、経営には打撃が大きいと言います。

お好み焼き店の従業員
「高すぎて本当に困りますが、質は落とせないので、ふだんの仕入れ先だけではなく安い市場からも仕入れるなど工夫して商品の値上げはしないよう努力しています。キャベツはここ数か月でぐっと値上がりしていますし、ほかの野菜や魚介類も高騰しているので安くなってほしいです」

農林水産省 “6月中旬以降 落ち着くのでは”

農林水産省によりますと、キャベツやブロッコリーの高値について、4月、雨が多かったことなどで出荷量が少なくなったことが原因だとしていて「6月中旬以降は、高冷地からの出荷が増え、価格も落ち着くのではないか」と話しています。