2歳女児 「パワーウインドー」に首挟まれ死亡 東京 練馬

21日午前、東京 練馬区で車の後部座席に乗っていた2歳の女の子が、電動で上下する窓ガラス「パワーウインドー」に首を挟まれて死亡しました。
車を運転していた母親は「声をかけても反応がなかったので、後ろを確認したら挟まっていた」などと説明しているということで、警視庁が詳しい状況を調べています。

21日午前10時45分ごろ、練馬区石神井町で「車の窓に子どもの首が挟まれて抜けない」と30代の母親から消防に通報がありました。

2歳の女の子が電動で上下する窓ガラス「パワーウインドー」に挟まれ、病院に運ばれましたが、まもなく死亡しました。

女の子は運転席側の後部座席に乗っていて、捜査関係者によりますと母親は「声をかけても反応がなかったので、後ろを確認したら挟まっていた」などと説明しているということです。

母親は「チャイルドシートに座らせた」とも説明しているということで、警視庁が詳しい状況を調べています。

現場は西武池袋線 石神井公園駅から西に700メートルほどの住宅街です。

近くに住む男性「警察官がいて車の寸法や窓の高さ測っていた」

近くに住む80代の男性は、「サイレンの音が聞こえたので、ベランダに出ると救急車が見えた。現場には多くの警察官がいて、近くに止められた黒い車の寸法や窓の高さを測っていた。このようなことが起きて驚いた」と話していました。

“車のパワーウインドーでけが” 15年間で少なくとも12件

車のパワーウインドーでけがをした事故は、この15年間で少なくとも12件にのぼっています。

消費者庁と国民生活センターが管理しているデータベースによりますと、車のパワーウインドーで指や体を挟まれるなどしてけがをしたケースは、今回の事故を除いて2009年9月以降少なくとも12件にのぼります。

このうち、6割近くの7件は10歳未満の子どもで、2015年には女の子が指を挟まれて切断したほか、2010年には幼児が首を挟まれ意識不明の重体となっています。

こども家庭庁 ホームページで事故防ぐポイントを紹介

こども家庭庁は、ホームページでハンドブックを公表し子どもの事故を防ぐポイントを紹介しています。

ハンドブックによりますと、パワーウインドーに挟まれる事故は、特に0歳から3歳くらいの子どもに注意が必要だということです。

そのうえで、事故を防ぐ対策として窓を閉める際には子どもの顔や手が出ていないか大人が近くで確認しながら操作するよう呼びかけています。

また、子どもが自分で窓を開けたり閉めたりすることができないように、窓をロックする機能の活用も促しています。

パワーウインドーの事故防止へ JAFが実験を公開

JAF=日本自動車連盟は、車のパワーウインドーで挟まれる事故の防止を呼びかけるため、どのくらいの力があるか実験を行い、公開しています。

JAFは、パワーウインドーが閉まる力の強さを検証するため野菜を使って実験を行いました。

その結果、物が挟まったことを感知する機能がついていないタイプの車では、窓が大根に接触したあとも止まることなく上がり続け、大根を切断して閉まりました。

また実験では、8歳の男の子に協力してもらい窓に直接手を掛けて閉まるのを止められるか検証しましたが、両手でも無理だったということで、大人でも相当な力が必要だとしています。

JAF東京支部によりますと、こうした事故を防ぐためには、子どもが窓のスイッチを操作できないよう運転席でロックするとともに、6歳未満に義務づけられているチャイルドシートを正しく使用する必要があるということです。

また、親などが運転席に座った状態で後部座席の窓を開け閉めする際は十分に安全確認を行い、「窓を閉めるよ」などと声をかけ注意を促すことが重要だとしています。

JAF東京支部の由水雅也さんは「パワーウインドーが作動してしまっても手で止めようとせず慌てずに窓を下げるスイッチを操作することが大切だ。挟み込みを防止する機能が備わっていたとしても、子どもの細い指などは感知されないおそれもあるため油断せず安全対策を行ってほしい」と話しています。