鹿児島県警 巡査長を懲戒免職に 内部文書など漏えいの罪で起訴

鹿児島県警察本部の巡査長が、刑事事件の当事者の個人情報が記された内部文書などを第三者に漏らした罪で起訴されました。県警は、流出した個人情報が合わせて95の事件で、被害者など304人分に上ったと公表し、巡査長を懲戒免職の処分にしました。

懲戒免職となったのは、鹿児島県の曽於警察署地域課の巡査長、藤井光樹被告(49)です。

巡査長は、鹿児島県警察本部の公安課に所属していた去年6月から、ことし3月にかけて、刑事事件の当事者の個人情報が記された「告訴・告発事件処理簿一覧表」と呼ばれる内部文書などを第三者に漏らしたとして、地方公務員法違反の疑いで4月に逮捕され、5月20日に起訴されました。

去年10月、ネットメディアの記事で、この内部文書の一部が個人情報を黒塗りにした状態で掲載されたことで、漏えいが発覚しました。

県警によりますと、巡査長が内部文書を提供した第三者は、福岡市の60代の会社役員で、巡査長は、業務の一環として接触していたということで、金銭のやり取りは確認されていないとしています。

調べに対して、巡査長は「情報提供する見返りに、相手からの情報が入りやすくなるだろうと考え、個人の判断で漏らした。組織の中での評価を高めたかった」などと供述しているということです。

流出した個人情報は、合わせて95の刑事事件で、被害者や告訴の対象者など304人分に上り、県警は、電話で伝えたうえで謝罪を進めています。

野川明輝本部長は記者会見で「県民の皆様の安心・安全に大きな不安を生じさせてしまっていることに深くおわび申し上げる。組織全体の問題として捉え、より実効性のある再発防止対策を徹底し信頼の回復に努めていく」と述べました。