広島 平和時計の表示切り替え抗議 米の臨界前核実験を受け

アメリカが核爆発を伴わない臨界前核実験を行ったと発表したことを受け、広島市の原爆資料館では世界で最後に核実験が行われてからの日数を示す時計の表示を切り替え、抗議の意思を示しました。

広島市の原爆資料館にある地球平和監視時計には広島に原爆が投下されてからの日数と、世界で最後に核実験が行われてからの日数が表示されています。

アメリカが臨界前核実験を今月14日に行ったと発表したことを受けて19日、広島市の原爆資料館の石田芳文館長が時計の日数の表示を切り替え、抗議の意思を示しました。

これまでの時計の表示は、アメリカが2021年9月に臨界前核実験を実施してからの日数を示す「976日」でしたが、切り替え後は「5日」となりました。

石田館長は「G7広島サミットでの『世界から核兵器を永久になくせる日に向けて共に進んでいきましょう』というバイデン大統領の芳名録のメッセージの真意がどうだったのか、疑問に思わざるをえない。サミットから1年のきょう、時計の表示を変えなければいけないことは非常に残念だ」と話していました。

原爆資料館を訪れていた静岡市の30代の女性は「非常に悲しく憤りを感じました。核兵器の廃絶がなかなか進展しないという印象を持っています」と話していました。