大相撲 引退の琴恵光 17年の土俵生活振り返る 今後は尾車親方

大相撲でスピードを生かした攻めを持ち味に活躍し、17日、現役を引退した元幕内の琴恵光が記者会見し「気持ちで負けないように一番一番、覚悟を決めて臨むことを大切にしていた」と17年間の土俵生活を振り返りました。

佐渡ヶ嶽部屋の琴恵光は宮崎県延岡市出身の32歳。力士としては小柄ながら筋肉質の体を生かしたスピードのある寄りや押しを持ち味に番付を上げ、令和3年の名古屋場所では自己最高位の前頭4枚目に番付を上げました。

また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による休場を除くと、平成19年春場所の初土俵から左ひざのけがで休場した去年の九州場所まで通算の連続出場を現役力士では7位となる1043回まで伸ばしました。

引退から2日たった19日、琴恵光は東京 両国の国技館で記者会見し「左ひざのけがの回復を目指していたが、ことし3月の春場所で思うような相撲を取ることができず、琴恵光らしい相撲を見せることができなくなった」と引退を決意した理由を説明しました。

17年間の土俵生活については「人よりも小さい体なので気持ちで負けないように一番一番、覚悟を決めて臨むことを大切にしていた。土俵では1人で戦っているが、いろいろな人に応援してもらい背中を押してもらった」と目に涙を浮かべながら振り返りました。

今後は尾車親方として佐渡ヶ嶽部屋で後進の指導に当たるということで「24時間365日、相撲に目を向けることを忘れなかったので、そのことをアドバイスしていきたい」と話していました。

会見に同席した師匠の佐渡ヶ嶽親方は「本当にいい力士に育ってくれた。入門したときは細かったが、よく努力をしていたので、いずれは幕内に上がると思っていた。もうひとふんばりすれば三役も目指せたと思う」とまな弟子の引退を惜しんでいました。