カブス 今永昇太 7回無失点 防御率は0.84に 歴史的な記録

大リーグ、カブスの今永昇太投手がパイレーツ戦に先発登板し、勝ち負けはつかなかったものの7回を投げて無失点と好投しました。
防御率は0.84に下がり、大リーグ機構の公式SNSによりますと、これはデビューから9試合に先発登板した時点での防御率としては、防御率が公式記録となった1913年以降で最もよい記録だとしています。

今永昇太 7回無失点 防御率は0.84に

今永投手は開幕から5勝負けなしで防御率0.96と好調をキープしていて、18日は本拠地シカゴで行われたパイレーツ戦に中4日で先発登板しました。

1回は先頭バッターにフォアボールを与えましたが、後続のバッターを低めのスプリットで2者連続の三振を奪うなど、ヒットを許さず無失点で切り抜けました。

2回以降も変化球を効果的に使ってテンポよく投げ込み、6回まで投げて内野安打2本に抑えました。

両チーム無得点で迎えた7回は、2アウトから2者連続ヒットを打たれてこの日、初めて得点圏にランナーを背負いましたが、続くバッターからスプリットで三振を奪って無失点でしのぎました。

このあと7回ウラの攻撃で味方の打線が得点を奪えず、今永投手は8回のマウンドに上がらなかったため、この試合で勝ち負けはつきませんでした。

球数は88球、打たれたヒットは4本、フォアボールは1つ、三振を7つ奪いました。両リーグトップの防御率は0.84となりました。

今永昇太「記録はあまり興味がない」

相手のパイレーツ打線は、サウスポーの今永投手に対して1番から9番まで右バッターを並べました。

この相手打線に対して今永投手はこれまでどおりストレートとスプリットを中心としたピッチングで最後まで的を絞らせず、特に投球の4割以上を占めたスプリットの空振り率は43%に上りました。

今永投手は「右バッターが続いていたので、同じような配球をすればおそらく対策もしてくるだろうということでうまくかわしながら、18.44メートルのなかで相手バッターとの違和感をうまく察知しながら投げられた」とピッチャーからキャッチャーまでの距離を織り込みながら自身のピッチングを振り返りました。

0点台だった防御率をさらに下げたことについては「本当に気にしていない。この防御率をもっと下げてやろうとか、そんなことは一切思わない方が僕としてのパフォーマンスはいい」としたうえで、デビューから9試合先発した時点で防御率が最もよい記録になっていることについても「今聞いても『あ、そういう記録があったんですね』という感じだ。自分自身に対しての記録はあまり興味がない。自分が投げた試合でチームが勝ったということが本当によかった」と自身の成績よりもチームの勝利を喜びました。

また、4回の鈴木選手の好守備などバックにも助けられたことに触れて「すごく助けられた。勝つにあたってあの鈴木選手のプレーはすごく大きなプレーだった」と感謝していました。

“デビューから9試合先発で防御率0.84”は歴史的な記録

今永投手は、9試合に先発して自責点はわずか「5」で、防御率は0.84に下がりました。大リーグ機構の公式SNSによりますと、これはデビューから9試合に先発登板した時点での防御率としては、防御率が公式記録となった1913年以降で最もよい記録だとしています。

また、0点台を維持しているピッチャーとしても史上2人目で、1981年に新人王とサイ・ヤング賞を同時受賞したサウスポーのフェルナンド・バレンズエラさんが0.91を記録して以来だということです。

カブスのカウンセル監督は「この領域に入ってくるとたしかに少し驚かないといけない。この歴史的なスタートを見ることができて幸運だ」と話していました。

アメリカメディアは「彼は歴史を作り続けている」などと今永投手の活躍を驚きを持って伝えていて、はやくも史上2人目となる新人王とサイ・ヤング賞の同時受賞を予想する声も上がっています。

鈴木誠也は4打数ノーヒット

この試合に2番・ライトで先発出場した鈴木誠也選手は、4回に鋭い打球をランニングキャッチするなど守備で今永投手を支えましたが、バッティングは奮わず4打数ノーヒットでした。

試合は、カブスが9回、1アウト二塁からサヨナラヒットが出て1対0で競り勝ちました。