石川 白米の千枚田 ボランティアが田植え 地震で約8割に被害も

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市の「白米の千枚田(しろよねのせんまいだ)」で、ボランティアが田植えを行いました。

輪島市の「白米の千枚田」は、日本海をのぞむおよそ4ヘクタールの斜面に1000枚以上の小さな田んぼが連なる棚田で、国の名勝に指定されています。

能登半島地震で全体のおよそ8割に亀裂が入ったり水路が壊れたりしましたが、住民が中心となって復旧を進め、田植えにこぎ着けました。

18日の田植えには地元の人たちや高校生などおよそ30人がボランティアで参加しました。

急斜面にある狭い千枚田には農機具を入れることができず、参加した人たちは夏のような日ざしが照りつける中、手作業で苗を植えていました。

輪島市の60代の女性は「千枚田が壊れたと聞いて心が痛みましたが、復活させなければいけないと初めて田植えに参加しました。この苗が元気に育ってほしいです」と話していました。

千枚田の維持管理を行う「白米千枚田愛耕会」の白尾友一会長は「千枚田では手作業が必要なので、ボランティアの方に手伝ってもらえるのはありがたいです。この場所から『輪島のみんなは前を向いて歩いているよ』と伝わるといいなと思います」と話していました。

白米千枚田愛耕会と地元の業者が協力して棚田を修復中

石川県輪島市の観光名所「白米の千枚田」は、能登半島地震でおよそ8割の田んぼに亀裂が入るなど大きな被害を受けました。

千枚田の修復や草刈りの活動をしてきた、地元の住民グループ白米千枚田愛耕会が中心となって、地元の業者と協力しながら手作業で棚田を修復しています。

作業は4月上旬から始まり、地震によってひびが入った棚田や壊れてしまった水路をなおしています。

白米千枚田愛耕会の白尾友一会長は「まずは活動の土台をしっかりと立て直し、国やボランティアなどと協力しながら、千枚田の修復を進めていきたい」と話していました。

「将来的には地震前の1004枚の棚田を後世に残したい」

白米町に住む、竹上浩幸さん(62)の家族は、先祖代々、白米の千枚田で米作りなどを続けてきました。

竹上さん自身も小学生の頃から田植えや稲刈りを始めたということです。

千枚田のそばにある竹上さんの自宅は能登半島地震で半壊し、さらに車庫や納屋などが全壊するなど大きな被害を受けました。

竹上さんは千枚田の修復や草刈りの活動をしている地元の住民グループ、白米千枚田愛耕会のメンバーで、地元の業者と協力しながら手作業で棚田を修復しています。

自宅で生活を続けながら、4月上旬から地震で壊れた水路を修復したり、亀裂が入った棚田を土などで埋めたりしてきました。

また、毎朝一人で水路にたまる枯れ葉や枝を取り除くなど、棚田の修復と維持を続けています。

竹上さんは「子どもの頃から見てきた千枚田が地震によっていたんだ姿には衝撃を受けた。棚田のひび割れなど、状況はひどく修復には時間がかかると思うが、将来的には地震の前にあった1004枚の棚田を後世に残したい」と話しています。