中国税関当局 日本の水産施設の登録効力を今月いっせいに停止

中国当局が、日本の水産業者に認めていた加工施設などの登録の効力を5月になっていっせいに停止していたことが、関係者への取材で分かりました。理由について日本側への説明はないということで、日本政府関係者は、中国側の思惑を見極める必要があるとしています。

中国に水産物を輸出する業者は、日本国内にある水産物の加工や保管などの施設について、中国の税関当局にあらかじめ登録する必要があり、登録が有効でなければ中国への輸出はできないことになっています。

中国の税関当局は、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を受けて、去年8月、日本産水産物の輸入を停止しましたが、関係者によりますと、日本の輸出業者の施設の登録は、4月まで有効になっていました。

ところが、日本政府関係者によりますと、5月になって、中国の税関当局は、日本側の施設の登録の効力をいっせいに停止したということです。

停止の理由について、これまで中国当局から日本側への説明はないということです。

日中両政府の間では、ことしに入って処理水をめぐる協議が断続的に続けられているだけに日本政府関係者は「なぜこのタイミングで停止したのか、意図を図りかねる」として、中国側の思惑を見極める必要があるとしています。