ギョウジャニンニクとよく似た有毒な植物食べ2人死亡 札幌

5月、札幌市で山菜のギョウジャニンニクとよく似た有毒な植物、イヌサフランを食べて2人が死亡していたことがわかり、市は食用と確実に判断できない植物は食べないよう注意を呼びかけています。

札幌市によりますと、警察から「5月上旬、札幌市内で2人が死亡し、イヌサフランを間違って食べた可能性が高い」などと連絡がありました。

市の保健所が詳しく調査したところ、いずれも自宅の家庭菜園でイヌサフランを栽培していたことなどから、山菜のギョウジャニンニクとよく似た有毒な植物、イヌサフランを間違って食べたことによる食中毒と断定しました。

市によりますと山菜のギョウジャニンニクは根元が赤紫色でニンニクの臭いが強い一方、見た目がよく似ているイヌサフランは根元が緑色で臭いはほとんどないということです。

北海道では2015年から去年までにイヌサフランを原因とする食中毒で17人が症状を訴え、このうち7人が亡くなっていて、ほとんどが山菜採りのシーズンに集中しています。

札幌市は山菜採りなどの際には十分に注意するとともに、食用と確実に判断できないものは食べないよう呼びかけています。

専門家“調理前に一つ一つ確認を”

イヌサフランについて、北海道道立衛生研究所の高橋正幸さんに注意点などを聞きました。

高橋さんによりますと、イヌサフランは園芸植物として親しまれていますが、少し食べただけでも死亡する可能性がある有毒な成分を含んでいます。

間違って食べた際には、比較的早い時期におう吐や下痢などを発症するということです。

高橋さんは「北海道でも好んで食べる人が多いギョウジャニンニクとよく似ているため、山菜採りのシーズンに間違えて食べてしまう事例は毎年のように起きています。食べられるかどうかわからない植物は『食べない』『採らない』『人にあげない』を心がけるとともに、調理する前に一つ一つ確認することも大事です。口に入れてしまい違和感を感じたときはすぐに吐き出し、すみやかに医療機関を受診してください」と話していました。