ドジャース大谷翔平 2打数ノーヒット 【一問一答も】

大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手は16日、レッズ戦に先発出場しましたが2打数ノーヒットでした。

記事後半では試合後の大谷選手の報道関係者の取材に応じた【一問一答】もお伝えしています。

大谷翔平 2打数無安打1四球 1盗塁

ドジャースは16日から本拠地ロサンゼルスでレッズとの4連戦が始まり、大谷選手はその初戦に2番・指名打者で先発出場しました。

この日は大谷選手の首振り人形が配られたこともあり、1回、大谷選手が打席に向かうと、ひときわ大きな歓声があがりました。

この打席でフォアボールを選んだ大谷選手は、続くバッターの打席で相手ピッチャーのけん制球が左足の裏の太ももに当たるアクシデントがありましたが、その後、二塁へ今シーズン11個目の盗塁を決めました。

3回の第2打席は高めの変化球を打ち上げてキャッチャーへのファウルフライに倒れ、6回の第3打席は低めの変化球にタイミングを外されて空振り三振となりました。

6回 空振り三振の大谷

このあと9回に回ってきた打席で代打が送られて途中交代し、この試合は2打数ノーヒット、フォアボールが1つでした。

大谷選手に代打が送られたのは、腰の張りを訴えた5月11日以来、今シーズン3回目です。

打率は3割6分に下がりましたが、両リーグを通じてトップのままです。

試合はドジャースが2対7で敗れて2連敗となりました。

この試合の観客数は今シーズン、大リーグで最多の5万3527人でした。

大谷翔平の首振り人形配布で開場前からファンが行列

16日の試合では大谷翔平選手の首振り人形が訪れた観客に配られるため、いち早く手に入れようと熱心なファンが開場前から列を作っていました。

大谷選手の首振り人形は、バットを構えている姿をしていて先着4万人に無料で配布され、このうち1700個はビジター用のグレーのユニフォーム姿です。

この人形を目当てに日本から訪れたファンも多く、東京から来たという男性ファンは「配布が決まってすぐにチケットを買いました。これだけのために円安の中、はるばる来たので満足です」と話していました。

また、グレーのユニフォームを着た首振り人形を手にした男性は「貴重なものだと聞いて信じられないです。歴史的な選手になると思うのでとてもうれしいです」と話していました。

始球式 大谷がキャッチャー マウンドには心臓病と闘う13歳

大谷選手がキャッチャーを務めた始球式でマウンドに上がったのは、生まれつき心臓の病気がある13歳のアルバート・リー君でした。

球団によりますと、アルバート君は大谷選手のファンで、首振り人形の配布日を記念して大谷選手から始球式と球場のスイートルームのチケットがプレゼントされたということで、球団の公式SNSには試合前に大谷選手がサプライズでアルバート君のもとを訪れる様子が投稿されています。

アルバート君は大谷選手が突然現れたことに驚いた様子で、大谷選手はその場でサインをしたユニフォームをプレゼントして、英語で「来てくれてありがとう。準備はいい?君が始球式で投げるんだよ」と優しく声をかけていました。

アルバート君は動画の中で「彼はとても大きいね。30秒くらい息ができなかったよ」とうれしそうに話していました。

その後行われた始球式で、アルバート君が投げたボールを大谷選手がワンバウンドでキャッチすると球場からは温かい拍手が送られていました。

【大谷選手 一問一答】心臓病と闘う男の子への思いも

大谷選手はドジャースでは初めてとなる自身の首振り人形が配られた試合のあと、報道陣の取材に応じました。
大勢のファンが訪れたことへの感想や、心臓の病気と闘う13歳の男の子とともに務めた始球式への思いなど、およそ6分間取材に応じました。

Q.首振り人形が配られて、始球式には病気と闘う男の子も来たが、どんな時間だった?

大谷翔平選手
「まあできれば勝って、あの見せられればよかったんですけど、残念ながら負けてしまったので、いい思い出に、もちろんあのファーストピッチがね、なってくれればいいと思います」

Q.病気と闘う若いファンと分かち合える時間はどれくらい大事なものか?

「自分が子ども時代ね、もちろんこういうことがあればいい思い出になるかなと思いますし、第一にチームが好きで来てくれたので、それ自体に僕も感謝したいなと思ってます」

Q.5万3000人を超えるファンをどう感じたか?

「すばらしい風景でしたし、選手冥利(みょうり)につきるというか、本当に壮観で、プレーしてて、なんていうんですかね、すばらしい瞬間だったんじゃないかなと思います」

Q.デラクルーズ選手の活躍をどじたか?

「もちろんすばらしい選手ですし、得点の起点になってたんじゃないかなとは思うので、まあすばらしい活躍だったなと、見てて思います」

Q.子どものころに、きょうの始球式のような形でプロ野球選手に接したことはあった?

「いやないですね、僕は1回だけしか、プロ野球の試合を見たことないので、もちろん始球式みたいなものもやったことはないですけどね」

Q.始球式の経緯は?

「いや、もともと球団からは、妻とかどうですかって言われてたんですけど、まああの、光栄なことですけど、本人と話して、なんていうんですかね、別に、違う子にというか、野球好きな子どもだったりとか、あまり見に来られない病院の子だったりとか、そっちのほうがいいんじゃないかなという感じで、決めました」

Q.男の子は野球を頑張っているそうだが?

「難しい状況の中で、本当に好きでやってくれたら、それだけでうれしいですし、本当にきょうはそれで十分かなと思います」

Q.笑顔やリアクションを直接見てどうだったか?

「もちろんそれで喜んでくれたら、もちろんすごくうれしいですし、なにより勝てたらいちばんよかったんですけど、なかなかそういうわけにはいかなかったので、また切り替えて、あすまた見るかもしれないですし、勝てるように頑張りたいなと思います」

Q.すでに11盗塁だが、盗塁のこだわりは?

「盗塁…なんですかね、やっぱりスタートがすべてじゃないかなと思うので、もう走り出したらね、もう行くしかないですし、あとはそのスタートを切るタイミングと勇気とがいちばんかなと思います」

Q.以前「夢を与えようと思ってプレーしていない」という発言があったが、環境が変わったことで考え方の変化は?

「んー変化はないですかね。
まあ与えるつもりはないというか、押しつけるものではないと思ってるだけなので、もちろん受け取り側の問題でもありますし、それでこう、きょうもそうですけどね、それで例えば元気が出たとか頑張りたいなと思ったというのはもうそれは受け取り手側がそう感じ取ってくれているものではあると思うので、もちろんそう思ってくれるのはうれしいことですし。
まあいちばんはね、やっぱり自分のやることをまずしっかりとやって、それでなにか感じてくれたらどんな人でもうれしいのかなと思います」

レッズ デラクルーズは4安打4盗塁 大谷もたたえる

この試合ではレッズの22歳、エリー・デラクルーズ選手が4打数4安打、4盗塁と活躍しました。

デラクルーズ選手は今シーズンすでに30盗塁と大リーグトップを独走していて、このペースを保てばシーズン110盗塁に到達する驚異的な勢いを見せています。

ドミニカ共和国出身のデラクルーズ選手は、1メートル96センチの長身にパワーとスピードを兼ね備えた大型ショートで、去年大リーグにデビューして98試合の出場でホームラン13本、盗塁35個を決めました。

2年目の今シーズンは開幕から驚異的なペースで盗塁を重ね、この試合では自身初の1試合4盗塁を決めました。

特に5回の攻撃では、フォアボールで出塁すると2つの盗塁で三塁まで進み、ドジャースのグラスナウ投手のワイルドピッチでホームにかえりノーヒットで得点をあげました。

大リーグのシーズン最多盗塁記録は1887年に当時レッズのヒュー・ニコルがマークした138個で、シーズン100盗塁以上も1987年を最後に37年出ていません。

デラクルーズ選手は今シーズンここまで44試合で早くも30盗塁に到達し、試合後、報道陣からシーズン100盗塁について聞かれると「そんなことは考えていない。毎日楽しく、懸命にプレーするだけだ。数字のことは考えていない」と話していました。

デラクルーズ選手は去年8月にエンジェルス戦で二塁ベース上にいた大谷選手に対して指でつつくしぐさを見せるなど陽気な性格も話題になることが多く、試合前の取材では大谷選手について「彼はすばらしい選手で、大ファンだ」と話していました。

一方の大谷選手も、この日の試合後にデラクルーズ選手について聞かれると「もちろんすばらしい選手だし、得点の起点になっていたと思う。すばらしい活躍だった」とたたえていました。